乳歯の黄ばみは虫歯?黄ばみの原因と対策を解説!
2023年09月11日(月)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
お子さまの仕上げ磨きをしているときや、ご飯を食べさせているときに、乳歯の黄ばみを見つけるかもしれません。「これは虫歯?」「こどもの歯が黄ばんでいる原因は何?」などと思うこともあるでしょう。
乳歯の黄ばみには、放置してよいものと、対策の必要なものがあります。正しい知識とアプローチが大切です。
今回は、乳歯の黄ばみの原因や対策法について解説します。対策をしっかりと行い、お子さまの歯を虫歯から守りましょう。
目次
乳歯の黄ばみは虫歯?
乳歯の黄ばみの原因は「虫歯」とは言いきれません。もちろん、虫歯が原因で黄色くなってしまっていることもありますが、そうでない場合も十分に考えられます。
一般的に乳歯は白っぽい色をしているため、黄ばんでいたら「これは虫歯かもしれない」と、心配になる方は少なくありません。
しかし、乳歯の黄ばみの理由は、いくつか考えられます。まずは、乳歯が黄ばんでいるときに考えられる原因を知っておきましょう。
乳歯の黄ばみの原因
乳歯の黄ばみの原因には、下記の4つが考えられます。本項目では、それぞれの特徴や危険性について解説します。特徴を知り、状況に合った対策をしましょう。
プラークが付着している
1つ目に考えられる理由は、プラーク(歯垢)が付着して黄ばんで見えていることです。
乳歯は、永久歯に比べて小さく、歯と歯の間にすき間が空いていることもあります。こどもが1人で磨くのは難しいため、磨き残しの箇所が多く見られます。
仕上げ磨きのときに意識して磨いてみましょう。黄色い部分が取れたら、プラークが原因の可能性が高いでしょう。
虫歯ができている
2つ目に考えられる理由は、虫歯です。
乳歯が虫歯になると、痛みがなくても次の症状が出ます。
- 白っぽい色や茶色になる
- 部分的に強い黄ばみが出る
- 穴が開く
特に、部分的に強い黄ばみが線状に出ている場合、虫歯である可能性も否定できません。
歯科医院へ行き、虫歯でないかチェックする必要があります。虫歯だった場合はすぐに治療をしましょう。
着色している
3つ目に考えられる理由は、着色によるものです。
ふだん、お子さまが口に入れているものの中には、下記のように、着色しやすいものがあります。
- カレー
- ケチャップ
- ぶどうジュース
- チョコレート
- ココア
- ブルーベリー
- バナナ、りんご、柿などの果物
- 豆腐などの大豆製品
カレーやケチャップなど、食べ物の色が濃いものは、歯に着色しやすいことを覚えておきましょう。また、チョコレートやココアに含まれるポリフェノールは着色の原因になります。ぶどうジュースはアントシアニンを含んでいるので、歯が着色しやすいのです。
意外に思われるかもしれませんが、バナナやりんご、柿などの果物も着色の原因になります。果物に含まれるタンニンは、ポリフェノールの一種で着色しやすいからです。さらに、大豆に含まれるイソフラボンもポリフェノールの一種です。
このように、お子さまの健康によい食材にも、着色の原因になる成分が含まれています。
とはいえ、お子さまの健やかな成長のことを考えると「食べない」というわけにはいきません。着色しやすいことを頭に入れつつ、歯のケアをしっかりしていきましょう。
生えたばかりの永久歯も黄ばんで見えやすい
乳歯ではありませんが、生えたばかりの永久歯も黄ばんで見えやすい傾向にあります。
生えたばかりの永久歯は未完成です。エナメル質が薄く、歯の内側の象牙質という部分の色が透けて見えます。生えたばかりの永久歯を見たときに「こどもの歯が黄ばんでいる」と、心配になる保護者が多いのはそのためです。
とはいえ、生えたばかりの永久歯は、虫歯になりやすいので、ブラッシングをしっかりと行ってケアをしてあげましょう。
乳歯の黄ばみに対する対策
「乳歯の黄ばみをなんとかしたい」と思う保護者の方も多いのではないでしょうか。
生えたばかりの永久歯が黄ばんで見えている場合は、成長とともに歯が完成するのを待つ必要があります。
しかし、できるだけ早く対策するほうがよいケースも少なくありません。乳歯の黄ばみを発見した場合は、歯科医院で原因を診断してもらうことが先決です。その後、それぞれの原因に応じた対策を実施します。
本項目では、乳歯の黄ばみへの対策について解説します。
虫歯の処置
虫歯が原因で黄ばんでいる場合は、治療することが不可欠です。虫歯は、一旦感染するとどんどんと進行するからです。特に、乳歯は柔らかく、虫歯がすぐに広がりやすい傾向がありますので、一刻も早く処置しましょう。
処置方法は、虫歯の進行具合によって異なります。虫歯の進行が初期段階である場合は、フッ素塗布後に経過観察するケースも少なくありません。虫歯が深い場合は、虫歯を削り、削った部分を埋めます。初期段階で治療すると、簡単に終了する可能性もあるのです。お子さまのストレスや負担を減らすためにも、できるだけ早く歯科医院へ行きましょう。
セルフケア
プラークが付着して歯が黄ばんでいる場合は、セルフケアをしっかりとする必要があります。
プラークが歯に付着したままになっていると、虫歯の原因になります。乳歯はエナメル質が薄く、柔らかいので、すぐに虫歯になりやすいため、磨き残しをなくしましょう。
上記でも触れた通り、お子さまが一人できれいに磨くのは難しいため、お子さまが磨き終わったら、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげてください。
仕上げ磨きで、特に注意したい箇所は、下記のとおりです。
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の境目
- 噛み合わせの部分
歯と歯の間は、こども用のフロスを使うのもおすすめです。フロスを使うことで、歯と歯の間をきれいにします。また、こどもの頃からフロスに慣れていると、一人で歯磨きをするようになったときに、違和感なくフロスを使えるようになるメリットもあります。
フッ素配合のジェルを塗ることやフッ素洗口液を使うことで、歯を強化することも効果的です。
PMTC
着色が原因で、歯が黄ばんでいる場合はPMTCをしてもらいましょう。
PMTCとは、機械を使って歯の細かい部分まで徹底的にきれいにする処置です。小さなブラシやゴム製のチップを高速回転させながら、汚れや着色を落とします。
PMTCをすると、着色がある程度きれいになり、磨き残している汚れも落ちます。痛みはなく、甘いペーストを使うため、お子さまもリラックスしてのぞめるでしょう。PMTCが好きなお子さまも珍しくありません。
定期検診
黄ばみがあってもなくても、定期検診で歯の状態をチェックしてもらうことは重要です。
黄ばみ以外でも、虫歯の有無や歯並びや噛み合わせの状態を確認してもらえます。問題点が見つかったら早いうちに処置できるため、お子さまの負担を減らしつつ、成長に合わせた正しいアプローチができるでしょう。
さらに、定期検診の際にフッ素塗布も検討できます。セルフケアで使用するフッ素とは異なり、病院では高濃度のものを塗布します。自宅でのセルフケアとの相乗効果で、さらに歯を強化できるでしょう。
まとめ
乳歯が黄ばんでいる場合は、プラークの付着、着色、虫歯のうちのどれかが原因の可能性があります。また、生えてきたばかりの永久歯は、象牙質の色が透けて見えやすいので、黄ばんで見えがちです。乳歯の黄ばみは、原因によって対策方法は異なりますが、まずは歯科医院で確認してください。
自宅でも、仕上げ磨きのときにポイントを押さえて磨いたりフッ素を塗布したりするなど、歯を強化する対策を取ることも大切です。正しい磨き方は歯科医院でも確認できますので、気軽に相談してください。
乳歯の黄ばみ対策を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。