乳歯がグラグラしてから抜けるまでどれくらい?抜けないときは?
2023年12月02日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
乳歯は全部で20本あり、6歳頃から永久歯に生え変わります。乳歯が生え変わる時期になると、乳歯がグラグラとするでしょう。
今回は、乳歯がグラグラしてから抜けるまでの期間や、グラグラする乳歯が抜けないときの対処法について解説します。お子さまの生え変わりについて疑問がある保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
乳歯がグラグラし始める時期
一般的に、乳歯は2歳6か月〜3歳頃に生え終わって乳歯列が完成します。5〜6歳頃から永久歯への生え変わりが始まって、12歳頃にはすべての乳歯が永久歯に生え変わるでしょう。
しかし、永久歯が生える時期には個人差があります。お子さまによっては1年以上ずれることがあるでしょう。
また、乳歯の種類によってグラグラし始める時期は異なります。乳歯の種類ごとに、グラグラし始める時期を確認しましょう。
乳中切歯
乳中切歯は、乳歯列の1番前の歯で、生後6〜9か月頃に生えます。乳中切歯は、5〜8歳頃からグラグラし始めるでしょう。
乳側切歯
乳側切歯は、乳歯列の2番目の歯です。1歳頃に生え、6〜9歳頃からグラグラし始めます。
乳犬歯
乳犬歯は、乳歯列の3番目の歯です。2歳頃から生えますが、奥歯である第一乳臼歯よりも遅れて生えることが多いです。乳犬歯は、9〜12歳頃からグラグラし始めます。
第一乳臼歯
第一乳臼歯は、乳歯列の4番目の歯です。1歳半頃から生え始め、9〜11歳頃からグラグラし始めます。
第二乳臼歯
第二乳臼歯は、乳歯列の5番目の歯です。2歳半頃から生え始め、10〜12歳頃にグラグラし始めます。
乳歯がグラグラしてから抜けるまでどれくらいかかる?
一般的に、乳歯がグラグラし始めてから2〜3か月で抜けるでしょう。
乳歯が生え変わる時期では、乳歯の根が永久歯に圧迫されます。永久歯に圧迫されることで、骨を溶かす破骨細胞(はこつさいぼう)が乳歯の根に集まり、根を溶かします。
歯の根が溶かされる現象を歯根吸収(しこんきゅうしゅう)といいますが、歯根吸収が進むと歯の根が短くなってグラグラし始め、最終的には乳歯が抜けるのです。
グラグラする乳歯が抜けない場合の対処法
ここまで、乳歯の生え変わりについてご説明しました。以下、グラグラする乳歯が抜けない場合の対処法を確認しましょう。
痛みがない場合
生え変わりによって乳歯がグラグラしている場合は、基本的に自然に抜けるのを待ちます。乳歯が大きく揺れてほとんど歯茎から離れており、ご自身の指で抜けそうな場合は、指でつまんで抜いても構いません。指で乳歯を触る際は、感染が起こらないように手を消毒しましょう。
ただし、基本的には自然に抜けるのを待ってください。こどもが痛がっており早く抜きたいなど、事情がある場合は歯科医院で抜歯してもらうとよいでしょう。
痛みがある場合
食事や歯磨きの際に痛みが出る場合は、歯科医院を受診してグラグラしている歯を抜歯する必要があります。歯科医院での抜歯では、歯茎に塗る表面麻酔や局所麻酔を使用できるので、痛みを軽減しながら乳歯を抜けるでしょう。
虫歯が原因で乳歯がグラグラしている場合
乳歯がグラグラする原因として、生え変わりの影響以外に虫歯が挙げられます。乳歯は永久歯と比べて歯を構成するエナメル質が薄いため、虫歯が急速に進行する傾向にあります。
乳歯の虫歯が進行したことでグラグラしている場合は、抜歯したほうがよいでしょう。乳歯の虫歯が永久歯に悪影響を及ぼすと判断された場合は、基本的に抜歯します。
ただし、生え変わりの前に乳歯の抜歯を行うと、当然ですがすぐに永久歯は生えてきません。抜歯によって生まれたスペースが長期間あいたままになります。
隣接する歯が倒れる、移動するなどして、永久歯のためのスペースが少なくなることがあるでしょう。永久歯が適切な位置に生えられなくなり、歯並びが乱れるなどの問題につながる可能性があります。
そのため、抜歯が必要かどうかは慎重に判断しなければなりません。ご自身で判断せず、歯科医院を受診して相談しましょう。
転倒などで乳歯がグラグラしている場合
転倒などで乳歯に衝撃が加わって、グラグラすることがあります。乳歯が強い衝撃を受けてグラグラしている場合は、レントゲンを撮影して歯が折れていないかなどを確認する必要があるでしょう。
歯が折れておらず、大きく揺れていない場合は経過を観察します。大きくグラグラしている場合は、ワイヤーで歯を固定することもあるでしょう。
乳歯が歯茎より下の部分で折れている場合や、歯の根が斜めに折れている場合は、抜歯を行います。
乳歯がグラグラしない原因
乳歯が生え変わる時期になっても、乳歯がグラグラしないことがあります。乳歯がグラグラしない原因を確認しましょう。
永久歯の先天性欠如
永久歯の数が、生まれつき少ないことがあります。先天性欠如とよびますが、乳歯がグラグラしない原因になるでしょう。
永久歯が生えようとして乳歯を圧迫することで、乳歯の根が溶かされてグラグラします。先天的に永久歯が欠如していると、乳歯の歯根吸収が進みません。生え変わりの時期になっても乳歯がグラグラしないのです。
過剰歯
通常の歯よりも多く生えた歯を、過剰歯といいます。永久歯が生える部位に過剰歯があると、永久歯がうまく生えることができず、歯茎の中に埋まったままになります。
永久歯が乳歯の根を圧迫しなければ乳歯の歯根吸収が進まないため、乳歯がグラグラしません。
歯科医院を受診すべきケース
次に、乳歯の生え変わりの際に歯科医院を受診したほうがよいケースをご紹介します。
乳歯の下に永久歯が見えているのに抜けないケース
乳歯の下に永久歯が生えているにも関わらず、乳歯が抜けないことがあります。乳歯の歯根吸収がうまく進んでいない可能性があるので、歯科医院で確認してもらったほうがよいでしょう。
必要であれば、抜歯などの処置を行います。
永久歯が乳歯の横から生えているケース
永久歯が乳歯の横から生えることがあります。何らかの原因で永久歯が適切な位置に生えられず、乳歯の歯根吸収がうまく進んでいない可能性があるでしょう。
放置すると歯並びが悪くなる原因になるので、歯科医院を早めに受診してください。
左右で乳歯の生え変わりに違いがあるケース
まったく同じタイミングではありませんが、基本的に生え変わりは左右対称に進みます。例えば、右側の乳側切歯が生え変わった場合は、近いうちに左側の乳側切歯も生え変わります。
乳歯の生え変わりの左右差が大きい場合は、乳歯の骨癒着や永久歯の欠損など、さまざまな問題が考えられるでしょう。
原因を明らかにして適切に対処するためにも、早めに歯科医院を受診してください。レントゲン撮影などの検査を受けましょう。
乳歯が抜けたあと、永久歯が生えてこないケース
乳歯が抜けたあとは、基本的に永久歯がすぐに生えてきます。乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない場合は、永久歯の欠損などが考えられるでしょう。
歯科医院を受診して、お口の中の検査を受ける必要があります。
乳歯が虫歯になっているケース
乳歯に虫歯がある場合は、生え変わりがうまく進まないことがあります。例えば、乳歯の虫歯が大きく広がった場合は、乳歯が割れやすいです。
そのため、歯根吸収が進んでもきれいに乳歯が抜けず、乳歯の一部が歯茎内に残る可能性があります。乳歯の一部が残っている状態で永久歯が生えると、歯並びが悪くなる原因や、痛み・腫れの原因になることがあるでしょう。
トラブルを防ぐためにも、グラグラしている乳歯に虫歯がある場合は必ず歯科医院を受診してください。
まとめ
今回は、乳歯がグラグラしてから抜けるまでの期間や、グラグラする乳歯が抜けないときの対処法について解説しました。
乳歯は3歳頃にはすべて生え終わり、5〜6歳頃から永久歯に生え変わります。永久歯が生えてくると乳歯の歯の根が溶け、乳歯がグラグラし始めます。
乳歯がグラグラし始めたあとは、2〜3か月ほどで抜けるのが一般的です。グラグラしている乳歯に痛みや腫れがある場合は、歯科医院を受診して抜歯などの適切な処置を受けましょう。
乳歯がグラグラしているのに抜けない場合や、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合なども、歯科医院を受診してください。放置すると、歯並びが悪くなるなどのトラブルを引き起こすことがあります。生え変わりにおけるトラブルを防ぐためにも、定期的に歯科医院を受診することが重要です。
グラグラする乳歯があって気になっている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
乳歯がグラグラして気になる、不安があるなどのお悩みのある方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。