インビザライン矯正後に後戻りする原因と予防方法を解説!
2024年07月27日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
インビザライン矯正が終わると「もう矯正装置の装着時間を気にせず過ごせる」と開放的な気持ちになるかもしれませんが、矯正装置を外したあとも、実は矯正治療は終わりではありません。
きれいな歯並びを維持するためには、矯正後に起こる後戻りを防ぎ、歯をしっかり固定する必要があります。
今回は、インビザライン矯正後に後戻りする原因や後戻りを防ぐ方法、後戻りが起こったときの対処法などについて解説します。インビザライン矯正後の後戻りが心配な方は、ぜひ参考にしてください。
目次
後戻りとは?
後戻りとは、矯正治療によって改善された歯並びが元に戻ってしまうことを指します。後戻りによって歯並びが完全に元には戻らなくても、ガタガタな歯列になったり、すき間が空いてきたりなど、さまざまな歯列の乱れが見られる可能性があります。
歯は同じ位置にとどまっているわけではなく、常に動いています。特に矯正治療が終了した直後は、歯を支えている骨が不安定な状態になっているため、後戻りが起こりやすいといわれています。後戻りは、どのような矯正方法でも起こる可能性のあるものです。
インビザライン矯正後に後戻りする原因
インビザライン矯正後に後戻りする原因には、以下のようなものが挙げられます。
- リテーナーの装着時間が不足していた
- 口周りの癖がある
- 歯周病や虫歯になった
- 顎の成長によって歯列が変化した
- 親知らずによって歯が押される
それぞれ詳しく解説します。
リテーナーの装着時間が不足していた
矯正治療で歯を動かしたあとは、リテーナー(保定装置)と呼ばれる装置を使って歯並びを安定させます。リテーナーをつける期間は、患者様の歯並びの状態や歯科医院の方針によって異なりますが、大体矯正期間と同程度であることが多いです。
保定期間中に、自己判断でリテーナーの装着をやめたり、1日の装着時間が短かったりすると、後戻りを起こすリスクが高くなります。
口周りの癖がある
以下のような口周りの癖があると、後戻りを起こす可能性が高くなります。
- 舌で前歯を押す
- 唇を噛む
- 爪を噛む
- 歯ぎしりや食いしばり
- 口呼吸をする
リテーナーを外している間に、舌や唇の力で歯に一定の力がかかると歯に傾きが生じたり、歯列がガタガタになったりする恐れがあります。また、口呼吸などで口周りの筋肉が正しく使われていないと、前歯が前方に傾いたりすることもあるでしょう。
歯周病や虫歯になった
虫歯や歯周病などの口内トラブルも後戻りの原因になります。歯周病とは、細菌が原因で歯茎などの歯の周りの組織に炎症が起こる病気です。歯周病が悪化すると歯を支えている歯槽骨が溶かされ、歯が不安定になり、後戻りが起こることがあります。
また、虫歯などが原因で歯を抜歯すると、抜けた歯の部分を埋めようと隣の歯が空いたスペースに倒れ込んできて歯列が変化するケースもあります。
顎の成長によって歯列が変化した
顎が成長することによって歯列が変化することもあります。特に成長期のお子さまは、矯正治療後に顎が成長して、後戻りが起こることがあるでしょう。
親知らずによって歯が押される
インビザライン矯正後に、一番奥の歯(8番目)である親知らずが生えてきた場合、生え方によっては前の歯を押して、後戻りを起こすことがあります。親知らずが真っ直ぐ生えていれば特に心配はありません。
しかし、斜めや横向きに生えていると、歯が全体的に前に押されて出っ歯になったり、ガタガタな歯列になったりするケースが考えられます。
インビザライン矯正後に後戻りするのを防ぐには
インビザライン矯正後に後戻りを防ぐためにできることは、以下のとおりです。
- リテーナーをきちんと使用する
- 口周りの癖を治す
- 口内を清潔に保つ
- 定期的に歯医者を受診する
それぞれ詳しく解説します。
リテーナーをきちんと使用する
リテーナーは歯科医師に指示された時間装着し、自己判断で使用を中断しないようにしましょう。リテーナーを決められた時間装着することで、歯をしっかり固定させることができます。
また、リテーナーの破損・紛失にも気をつけましょう。破損や紛失が起こると、基本的に作り直しとなり、手元に新しいリテーナーが届くまで時間がかかります。リテーナーなしで過ごす時間が増えるとその分後戻りのリスクも高まります。
リテーナーを外しているときは専用のケースで保管して、衝撃や紛失から守りましょう。
口周りの癖を治す
爪を噛んだり舌で歯を押したりする癖があると、後戻りを起こすリスクが高まります。後戻りを防ぐためには、これらの癖を改善することが非常に重要です。トレーニングを行ったり、鼻呼吸に切り替えたりするなどして癖を改善させましょう。
口内を清潔に保つ
歯周病や虫歯になると後戻りを起こすリスクが高まるため、矯正後も口内を清潔に保つようにしましょう。食後はしっかりと歯磨きを行ってください。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどのアイテムも使用して細かい部分に付着した汚れも除去しましょう。
歯と同様に、リテーナーも優しくブラッシングして清潔に保つようにしてください。
定期的に歯医者を受診する
後戻りを防ぐためには、定期的に歯医者を受診してチェックを受けることも重要です。歯医者の定期検診では、後戻りが起こっていないかはもちろん、歯周病や虫歯のチェック、クリーニングなども行います。
万が一、後戻りなどのトラブルが起こっていても、定期的に検診に通っていれば、早期発見・治療ができ、大掛かりな処置が不要となることもあります。
また、歯医者のクリーニングではふだんの歯磨きでは落としきれない細かい部分に付着した汚れを落としてもらえます。そのため、虫歯・歯周病予防につながり、結果として後戻りのリスクを減らせるでしょう。
インビザライン矯正後に後戻りしたときは
インビザライン矯正後に後戻りを起こしたときは、まずは歯科医師に相談してください。これ以上後戻りが進まないように、リテーナーで固定を続けるか、再び矯正治療をするかの2つの方法に分けられるでしょう。
歯科医院によっては複数のリテーナーの種類を取り扱っているところもあります。取り外し可能なリテーナーを使用していて、装着時間が守れなかった場合は、固定式のリテーナーに変えるというのも一つの手かもしれません。
後戻りがかなり進行している場合は、それまで使用していたリテーナーが入らなくなるケースもあります。その場合は、再度型取りをしてリテーナーを作り直します。
また、リテーナーはあくまで歯列を固定する装置のため、そのまま使用していても歯並びの改善は期待できません。後戻りした歯列を改善したい場合は再矯正が必要となります。
ただし、再矯正といっても、1回目の矯正治療に比べると治療範囲が狭いことが多く、費用や治療期間も抑えられるケースが多いです。
まとめ
後戻りとは矯正治療で動かした歯が元の位置に戻ろうと動くことを指します。後戻りは、インビザラインに限らず、どの矯正方法でも起こる可能性のあるものです。後戻りの原因は、リテーナーの装着時間の不足や口周りの癖、歯周病、虫歯などが挙げられます。
後戻りが起こった場合は、それ以上後戻りが起こらないように引き続きリテーナーを装着するか、再矯正をして歯並びの改善を図るかの2つの方法があります。
いずれにしても、後戻りを起こした原因や対処法を考える必要があるため「後戻りしているかも?」と感じたら歯科医院を受診して、歯科医師に相談してください。
インビザラインを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。