MFT(口腔筋機能療法)の費用は?保険適用の対象になるかも解説!
2024年08月03日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
歯並びや噛み合わせが乱れる原因は、遺伝だけではなく、生活習慣や癖などが大きく関係しています。
お口がポカンと開いたままになっている、食べるときにくちゃくちゃと音を立てる、食べこぼしが多い、発音や滑舌が悪いなどの癖や症状がある場合には、口周りの筋肉をうまく使えていない可能性があります。
放置すると歯並びや噛み合わせが乱れる原因となるため、改善したほうがよいでしょう。お口周りの筋肉を鍛えるトレーニングにMFT(口腔筋機能療法)があります。MFTを検討しているけれど、どれくらいの費用がかかるのか気になっている方がいるのではないでしょうか。
今回は、お口周りの筋肉の機能を改善するトレーニングであるMFT(口腔筋機能療法)とはどのようなものなのか、またどれくらいの費用がかかるのか解説します。保険が適用されるのかについてもあわせて解説しますので、MFTを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFTとは、Oral Myofunctional Therapyの略で、お口周りの筋肉の機能を改善するトレーニングです。飲食時や発音時、呼吸時の舌や唇の位置の改善を目的にしています。主に子どもを対象とした治療です。
MFTを行って異常な筋肉の動きを改善することができれば、歯が正常な位置に生え揃うことが期待できます。
また、矯正治療を考えている場合には、お口周りの筋肉の機能を改善することが必要不可欠です。筋肉の動きが異常な状態のままでは、矯正の効果が得られなかったり、矯正治療をしても後戻りをしたりするリスクがあります。
MFTで期待できる効果
MFTは、お口周りの筋肉の機能に不調和がある場合に推奨されるトレーニングです。常に口が開いている場合や指しゃぶりをする癖がある場合、舌を前に出す癖がある場合に有効です。
MFTを行うことで期待できる効果は、次の通りです。
- 口腔周囲筋のバランスが整う
- 発音が改善する
- 安静時の舌や唇の位置が改善する
- 正しい嚥下と咀嚼を習得できる
- 矯正治療後に後戻りが起こりにくくなる
歯並びは舌の筋肉や唇の筋肉、頬の筋肉によって維持されています。口腔機能が正しく改善され筋肉のバランスが整うことによって、歯並びがきれいに整うこともあります。
ただし、MFTでは歯の上下の位置関係を改善することはできません。すでに乱れている歯並び・噛み合わせを整えるためには、並行して矯正治療が必要になります。
適応年齢
MFTはお口周りの筋肉を鍛えるトレーニングです。そのため、年齢が若いほど効果が出やすいといわれており、一般的に5歳〜10歳程度の子どもが適応年齢とされています。
大人になってからでも受けられるトレーニングですが、すでに骨の成長が終了していることから、子どもほどの効果は見込めないかもしれません。
しかし、毎日続けることで、徐々に改善されていきますので、根気強く行うことが大切です。
MFTで行う主なトレーニング
MFTではどのようなトレーニングを行うのか気になる方もいるでしょう。MFTではさまざまな訓練が行われます。以下に、MFTで行う代表的なトレーニング方法をご紹介します。
スポットポジション
スポットポジションは、舌の正しい位置を覚えることを目的としたトレーニングです。スポットは、上顎の前歯の少し後方あたりにある凹んだ部分です。
アイスの棒や割り箸などをスポットに当てたあとに5秒数えます。その後、棒や割り箸を離してから、舌の先を5秒間スポットにつけるようにします。これらの動作を繰り返し行うことで、スポットの正しい位置を覚え、舌をスポットにつけられるようにしていきます。
ティップ
ティップは、舌先の力をつけることを目的としたトレーニングです。アイスの棒などのスティックを口の前に垂直に立て、舌を出して舌の先でスティックを押すようにします。舌の先を丸めず、尖らせるようにすることがポイントです。
ポッピング
ポッピングは、舌を持ち上げる力をつけることを目的としたトレーニングです。舌の先をスポットにつけた状態で、舌全体を使って上顎を吸い上げるようにします。そして、そのまま口を開けた状態で上の顎をぽんっと弾き、音を鳴らします。
サッキング
サッキングは、舌の横の筋肉を鍛えて食べ物を正しく飲み込めるようにすることを目的としたトレーニングです。舌をスポットにつけた状態で、臼歯を噛み合わせ、舌の横で顎の側方をはじくように音を立てます。
ボタントレーニング
ボタントレーニングは、唇の周りの筋肉を強化することを目的としたトレーニングです。紐に通した大きめのボタンを唇と歯の間に挟んで引っ張ります。唇の力を使ってボタンが外れないようにします。
スラープスワロー
スラープスワローは、飲み込むときに舌が正常に動くようにすることを目的としたトレーニングです。
舌全体を持ち上げて上顎につけた状態にします。上顎の犬歯のうしろにストローを置いて、舌の裏に当てた状態で奥歯を噛み合わせます。そして、口の横からスプレーなどを使用して上顎に向けて水を入れます。
奥歯を噛み合わせたまま思い切り吸い込んで飲み込みます。このとき、舌がスポットから離れないように注意してください。
呼吸トレーニング
口周りの筋肉が鍛えられておらず、緩んでいる状態になると、口呼吸になることが多いです。しっかりと口を閉じて鼻で呼吸をします。鼻から息を吸い、口から吐くという単純な深呼吸から始め、徐々に呼吸のリズムや深さをトレーニングしていきます。
姿勢のトレーニング
姿勢が悪いと、顎や舌の位置が乱れやすくなり、正しい呼吸ができなくなります。正しい姿勢をとることで、ほかのトレーニングの効果も高くなります。
MFT(口腔筋機能療法)の費用
MFTの費用は、行うトレーニングの内容や歯科医院によって異なりますが、1回あたり3,000円〜1万円程度が相場です。
MFTは1回だけで終わるものではなく3ヶ月〜半年、またはそれ以上の期間をかけて行うことが多いです。長期にわたると、それだけ費用もかさみますので、全体的な料金もイメージしておくと良いでしょう。
具体的な料金を知りたい場合には、MFTトレーニングを受ける歯科医院で確認してください。費用やトレーニングの内容、治療期間を事前に確認しておくと安心です。
MFTは、矯正治療と並行して行うケースも多いです。その場合は、矯正治療費に含めるというかたちで、無料で受けられる場合もあります。
MFT(口腔筋機能療法)は保険適用の対象?
MFTは、口腔機能発達不全症と診断された場合には、保険が適用されます。2018年に病名がつけられました。
口腔機能発達不全症とは、食べる(噛むこと・飲み込むこと)・話す・呼吸などの機能が十分に発達していない、もしくは正常な機能を獲得できていない状態のことをいいます。口腔機能発達不全症の診断には、チェックリストにより食べる機能や話す機能の評価を行います。
まとめ
MFTとは、お口周りの筋肉の機能を改善するトレーニングです。
口の周りの筋肉が正常に働いていないと、歯並びや噛み合わせが乱れる原因になります。歯並びや噛み合わせが悪いと、虫歯や歯周病のリスクが高くなるだけでなく、発音に影響がでたり、頭痛や肩こりの原因になったりもします。
子どもの健康を将来にわたって守っていくためにも、お口周りの筋肉を鍛えることが大切です。MFTの費用は、歯科医院やトレーニング内容などによって異なりますが、3,000円〜1万円程度が相場です。口腔機能発達不全症と診断された場合には、保険が適用されます。
お口がポカンと開いたままになっていたり、発音や滑舌が悪かったりするなど、気になる癖や症状がある場合には、歯科医院で相談してみましょう。MFTトレーニングを受けることで、改善できる可能性があります。
MFTを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。