親知らずとは?生え方の種類や抜く・抜かないメリットとデメリットを紹介
2024年11月16日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
親知らずは、10代後半から20代にかけて生えてくる歯です。痛みや違和感があった際に気づくケースが多く「抜いたほうがいい?」「抜かないとどうなる?」など、親知らずに関して疑問や不安がある方も多いでしょう。
親知らずについてきちんと把握することで、抜歯の必要性なども理解できるかもしれません。
この記事では、親知らずの生え方の種類や抜歯の必要性について解説します。親知らずを抜く場合と抜かない場合のメリット・デメリットも併せて紹介するので、親知らずについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
親知らずとは
親知らずとは、10代後半から20代にかけて生えてくる、前歯から数えて8番目の奥歯のことを指します。
上顎と下顎の左右に合計4本生えますが、全ての親知らずが生えるとは限りません。顎の骨格や体質によって親知らずの生え方には個人差があるため、数本のみ生えたり全く生えてこなかったりするケースもあるでしょう。
親知らずの正式名称は、第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)ですが、他にも智歯(ちし)や知恵歯(ちえば)などとも呼ばれます。名称の由来は諸説ありますが、10代後半〜20代の大人になった時期に生えるため、親が存在を知らないという意味で親知らずと呼ばれているという説があります。
親知らずの生え方によっては、虫歯や歯周病などのトラブルが生じるリスクが高まります。そのため「抜いたほうが良い」と言われることが多いですが、全てのケースにあてはまるわけではありません。
抜歯に関しては、歯科医師と相談して慎重に検討しましょう。
親知らずの生え方
親知らずの生え方は個人差が大きく、生え方によっては周囲の歯や歯茎に悪影響を及ぼすこともあります。親知らずの主な生え方は、以下の通りです。
- まっすぐ生えるケース
- 完全に埋まっているケース
- 一部が露出しているケース
- 存在しないケース
それぞれの特徴を説明します。
まっすぐ生えるケース
親知らずがまっすぐ生えているケースは、最も理想的な生え方です。
上下の親知らずがまっすぐに生え、対合する歯と正しく噛み合っている状態であれば、抜歯の必要はないと考えられています。他の歯と同様の機能を果たすことができ、問題を引き起こす可能性も低いためです。
ただし、虫歯などの問題が起こった場合は抜歯しなければいけなくなることもあります。そのため、口腔ケアを怠らないようにしましょう。
完全に埋まっているケース
親知らずが歯茎に完全に埋まっている状態には、注意が必要です。
虫歯や歯周病のリスクはありませんが、骨の内部に嚢胞(のうほう)と呼ばれる、袋状の塊ができる場合があります。嚢胞は、歯根や舌、唇などにできることもあるでしょう。
初期段階では無症状で気づきにくいため、レントゲンなどで偶然発見される場合が多いです。放置すると大きくなり、骨を溶かしたり圧迫したりするリスクが高まるため、危険な場合は除去しなければいけなくなる場合もあります。
一部が露出しているケース
親知らずが生え切っておらず一部が露出しているケースでは、歯磨きがしにくいため歯垢や汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
また、汚れの蓄積により周囲の歯肉に炎症が起こる、歯冠周囲炎を引き起こす可能性もあるでしょう。親知らずの歯冠周囲炎は、智歯周囲炎と呼ばれます。
初期段階の智歯周囲炎では、親知らずの周りが赤く腫れたり膿が出たりする症状が生じます。炎症が顎の骨まで広がると、喉に痛みを感じたり口を開けるのが困難になったりするため、異変を感じたら早めに歯科医院を受診してください。
存在しないケース
レントゲンなどで確認しても、親知らずが存在しないケースもあります。親知らずに限らず、本来生えるはずの歯が生えないことを、先天欠如(せんてんけつじょ)といいます。
親知らずが先天的に欠如している場合、特に問題になることはありません。
ただし、目視で確認できないだけで歯茎に埋まっているケースもあります。そのため、親知らずがない場合は、歯科医院でレントゲン撮影を行い確認してもらうと良いでしょう。
親知らずは抜くべき?
親知らずは抜いたほうがいいという認識の方が多いですが、必ずしも抜かなければいけないわけではありません。まっすぐに生えて対合する歯と正しく噛み合っている場合は、正しいブラッシングでしっかりとケアができていれば、抜歯の必要はないでしょう。
また、完全に埋まっている状態でトラブルがない場合も、様子を見るケースが多いです。親知らずを残すことで得られるメリットもあるため、問題がなければ抜歯の必要はないとされています。
ただし、一部だけが歯茎から出ていたりまっすぐ生えていなかったりする場合は、汚れが溜まりやすいため虫歯や歯周病、歯冠周囲炎などの歯茎の炎症を起こしやすくなります。トラブルを回避するために、抜歯を勧められることも多いでしょう。
奥歯あたりに痛みや違和感があって、見えている部分に特に問題がない場合、歯茎に埋まっている親知らずが原因かもしれません。一度歯科医師に相談して、レントゲンなどで確認してもらってください。
親知らずを抜くメリットとデメリット
ここでは、親知らずを抜くメリットとデメリットをご紹介します。それぞれを理解し、納得したうえで抜歯を検討するようにしましょう。
親知らずを抜くメリット
親知らずを抜く主なメリットは、以下の3つです。
- 虫歯や歯周病の予防
- 口臭予防
- 頭痛や肩こりの改善
親知らずは1番奥にあることで歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病、口臭の原因につながるリスクが高くなります。抜歯をすることで歯磨きがしやすくなり、口腔内にトラブルが起きるリスクを大幅に減らせるでしょう。
また、親知らずが正しく生えていないことが原因で起こる肩こりや、親知らずが虫歯になった際に引き起こされる頭痛が改善される可能性があるというメリットもあります。
親知らずを抜くデメリット
親知らずを抜く主なデメリットは、以下の2点です。
- 痛みや腫れを引き起こす可能性がある
- 将来の治療の選択肢が減る
個人差がありますが、抜歯後は痛みや腫れが生じることも少なくありません。痛みや腫れにより、一時的に食事や会話がしにくくなるケースもあるため、デメリットと言えるでしょう。
また、親知らずは将来他の歯を失った場合の移植や、ブリッジの支台として利用されるケースがあります。抜歯することで将来選択できる治療法の選択肢が減る点は、大きなデメリットです。
親知らずを抜かないメリットとデメリット
ここでは、親知らずを抜かないメリットとデメリットを紹介します。
親知らずを抜かないメリット
親知らずを抜かないメリットは、以下の3点です。
- 歯を失った際に移植できる
- 土台にできる
- 身体的な負担を減らせる
親知らずが真っ直ぐに生え、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えていない場合は、残すメリットが大きいでしょう。歯を失った際に移植したりブリッジの土台に活用したり、将来的な治療に役立つ可能性があるのです。
また、抜歯には痛みや腫れが伴います。抜歯による身体的負担や恐怖心などの精神的負担を避けられる点も、メリットと言えるかもしれません。
ただし、親知らずを残すかどうかの判断は、患者様の口腔内の状況によって異なります。そのため、歯科医師に確認してもらい、しっかり相談して決めましょう。
親知らずを抜かないデメリット
親知らずを抜かないことで起こるデメリットは、以下の2点です。
- 親知らずの病気が悪化する
- 周囲の歯が病気になるリスクがある
親知らずは口の中で1番奥にあるため、ブラッシングが難いです。そのため、歯垢や歯石が蓄積しやすく、虫歯や歯周病の進行する可能性が高いでしょう。
また、親知らずだけでなく、親知らずの手前の歯にも虫歯が広がる可能性がある点も、抜歯をしない場合の大きなデメリットです。
まとめ
この記事では、親知らずの生え方の種類や、抜いた場合・抜かない場合のメリット・デメリットについて詳しく解説しました。親知らずは、必ず抜いたほうが良いというわけではなく、抜かないことによるメリットもあります。
ただし、まっすぐに生えていない親知らずを残すことにより、虫歯や歯周病、その他の疾患を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。親知らずを抜く必要性は、患者様自身で判断することは非常に難しいため、歯科医院で相談しましょう。
親知らずについてお悩みの方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。