訪問歯科とは?誰でも利用できる?診療内容と費用目安を徹底解説!

2025年01月18日(土)

その他

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

訪問歯科に向かう歯科医師

「寝たきりの家族に歯科治療を受けさせたいけれど、歯科医院に通うのが難しい」などのお悩みはありませんか。高齢化が進む中、外出が難しい高齢者や障がいのある方にとって、自宅や施設で歯科診療を受けられる訪問歯科は大変重要な役割を果たしています。

この記事では、訪問歯科の利用対象者や診療内容、費用について徹底的に解説します。メリット・デメリットなどもご紹介するので、ご自身やご家族のお口の健康を守れるようこの記事を参考にしてください。

訪問歯科とは

訪問歯科で口腔ケアをサポートする様子

訪問歯科とは、歯科医院に通院できない患者さまのために、歯科医師や歯科衛生士がご自宅や高齢者施設、病院などに訪問して歯科治療を行う制度です。主に、高齢者や障害を持つ方をはじめとする、身体的・精神的な問題で歯科医院に通うのが困難な方を対象としています。

訪問歯科の必要性

訪問歯科が注目される背景には、高齢化社会の進展とともに、歯科医院への通院が難しい人が増えていることが挙げられます。

介護を必要とする方や寝たきりの方の場合、歯の健康が悪化しても、歯科医院に通院して適切な治療を受けるのが難しいことがあります。問題を放置すると、口腔内の健康状態が悪化するだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあるでしょう。

例えば、口腔内の衛生状態が悪いと、誤嚥性肺炎や全身疾患のリスクが高まることが知られています。訪問歯科では、このようなリスクが起きる可能性を減らしたり状況を改善したりするために、自宅や施設を訪問して必要な治療やケアを提供します。

患者さまの通院の負担をなくしながら、口腔内の健康維持や生活の質の向上ができるのです。

訪問歯科と一般歯科の違い

訪問歯科と通常の歯科の大きな違いは、診療を受ける場所や治療に使用できる機器などです。通常の歯科では、歯科ユニットやレントゲンなどの設備が整った環境で治療を行います。

しかし、訪問歯科では持ち運び可能な機器を使用して治療を行います。そのため、訪問歯科は基本的な治療に重点を置いている場合が多いです。処置によっては、歯科医院で行う治療と同じ精度の治療が難しい場合もあるでしょう。

訪問歯科の診療の流れ

訪問歯科の診療は、一般的に以下の流れで進みます。

  1. お申込み・ご相談
  2. 訪問日の調整
  3. 訪問診療
  4. 今後の治療計画の説明
  5. 定期的なケア

まずは、訪問診療を行っている歯科医院に電話などで連絡し、症状や状況を伝えて歯科医院と訪問日時を調整します。当日は歯科医師や歯科衛生士がご自宅や施設に訪問し、問診や口腔内診査、必要な治療などを行います。

その後、今後の治療計画やケア方法について説明を受け、必要に応じて定期的に訪問診療を実施し、口腔ケアやメンテナンスを行います。

訪問歯科は誰でも利用できる?

寝たきりで訪問歯科を依頼した高齢女性

訪問歯科は、歯科医院への通院が困難な方々を対象者としており、主に以下の方が該当します。

  • 要介護状態の方
  • 寝たきりの方
  • 高齢の方
  • 身体が不自由な方
  • 介護施設に入所している方

上記のような通院が困難な事情がある方であれば、年齢制限なく子供から高齢者まで、必要に応じて利用することができます。

ただし、明確な基準が設けられているわけではないため、対象になるかどうかは歯科医師が判断します。また、介護保険を利用した居宅療養管理指導を受ける場合は、要介護認定を受けている必要があります。

訪問歯科の診療内容と費用の目安

訪問歯科の診療内容と費用の目安のイメージ

ここでは、訪問歯科の診療内容と費用の目安をご紹介します。

訪問歯科で受けられる主な診療内容

訪問歯科で受けられる主な診療内容は、以下のとおりです。

  • 虫歯治療
  • 歯周病治療
  • 入れ歯の作製・調整
  • 口腔ケア
  • 嚥下リハビリテーション

虫歯や歯周病の治療、入れ歯の作成や調整・修理は、全て保険診療で対応可能です。虫歯や歯周病が重度になっている場合は、抜歯なども必要になる場合があるでしょう。抜歯が必要な場合は、身体の状態に配慮して処置を行います。

新しい入れ歯の作製や既存の入れ歯の調整・修理なども、訪問診療で行うことが可能です。通院するときと同様に、自分の口腔内の状態に合った入れ歯を作れます。

また、口腔ケアも可能です。歯磨き指導や口腔内の清掃など、口腔衛生状態の維持・向上のサポートも行います。他にも、飲み込みが困難な方に対して、嚥下機能の改善を目的としたリハビリテーションも行えます。

訪問歯科の費用目安

訪問歯科の費用は、治療内容や使用する材料、訪問回数、健康保険や介護保険の適用の有無によって異なります。

訪問歯科の場合も、虫歯治療や歯周病治療などの一般的な歯科治療には健康保険が適用されます。自己負担額は年齢や所得によって異なります。

また、要支援・要介護認定を受けている方の場合は、介護保険も適用されます。介護保険が適用される対象は居宅療養管理指導費で、自己負担の割合は1~3割です。

介護保険を利用する場合は、ケアマネージャーとの連携が必要になり、利用回数や費用には上限があります。事前に確認しておきましょう。

訪問歯科の費用の目安は、1割負担の方の場合、虫歯治療は1,000〜2,000円程度です。抜歯は1本あたり1,000円前後、歯石除去も1回あたり1,000円程度が目安とされています。入れ歯の作製は2,000円〜1万円ほどかかるのが一般的です。

訪問歯科では、通常の治療費用に加えて、訪問診療費などの料金が加算されるため、通院での治療よりも合計の支払い顎は高くなります。交通費が別途必要になる場合もあるため、事前に歯科医院に費用の見積もりを出してもらうと良いでしょう。

訪問歯科のメリット・デメリット

訪問歯科のメリット・デメリットのイメージ

訪問歯科は、通院が困難な方にとって大きなメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、訪問歯科のメリット・デメリットについて解説します。

訪問歯科のメリット

訪問歯科のメリットとして、歯科医院への通院が困難な方でも自宅や施設で治療を受けられ、通院の負担がかからない点が挙げられます。病気やケガ、加齢などが原因で通院できない場合でも、訪問歯科を利用することによって口腔内の健康を取り戻したり維持したりできます。

これにより、誤嚥性肺炎のリスクを低下させることができる点もメリットです。

また、要介護の方や高齢の方は、免疫力が低下している可能性が高いです。通院すると不特定多数の人に接するため、感染症にかかるリスクがあります。訪問診療を選択することで、感染症にかかるリスクを下げられる点は大きなメリットでしょう。

他にも、通院の付き添いが不要になることで、ご家族や介護者の負担が軽減されるというメリットもあります。ご家族が診療内容を把握しやすく、治療方針を相談しやすいのも訪問歯科の魅力の一つです。

訪問歯科のデメリット

訪問歯科のデメリットとしては、訪問料や交通費などが加算されるため、通院での治療に比べて費用がやや高くなる傾向がある点が挙げられます。すべての歯科医院が訪問歯科に対応しているわけではないことや、診療可能エリアの制約があることもデメリットでしょう。

さらに、治療できる内容に限りがある点もデメリットと言えます。訪問歯科での治療では、使用できる機器に限りがあり、歯科医院と同等の設備は使用できません。

そのため、高度な外科手術や、デジタルスキャナーなどの特殊な機器が必要となる精密な補綴治療は、対応が難しい場合があります。また、CT撮影など大型の機器が必要となる検査も対応が難しいでしょう。

ただし、近年では訪問歯科で使用される機器も進化しており、以前に比べるとできる治療の幅は広がっています。対応できる具体的な治療内容については、事前に歯科医院に確認してみてください。

まとめ

訪問歯科を受けて歯の健康を保つ高齢女性

訪問歯科は、通院が難しい方の口腔内の健康をサポートするための制度です。歯の健康を守ることは全身の健康にも直結するため、通院が困難な場合は訪問歯科を活用してみましょう。

ただし、誰でも訪問歯科を利用できるわけではなく、診療内容も範囲が限られています。事前に歯科医院に対象かどうかを確認した上で利用しましょう。

訪問歯科について詳しく知りたい場合や利用を検討している方は東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。