インビザラインの治療期間と保定期間は?長くなるケースも解説!
2024年04月06日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
インビザラインは、外側から目立ちにくいマウスピースを使用して行う歯列矯正です。着脱可能で違和感が少ないうえ、見た目の問題もなく美しい歯並びが目指せるため人気が高まっています。
歯科矯正を検討されている方は、どのくらいの期間がかかるのか気になるのではないでしょうか。
今回は、インビザラインの一般的な治療期間と、整った歯並びを固定するための保定期間について解説します。
目次
インビザラインの治療期間はどれくらい?
インビザラインの治療期間は、治療する範囲によって異なります。
すべての歯を治療対象として、噛み合わせの調整まで行う全体矯正の場合、1年半~2年半程かかるでしょう。前歯部分の歯並びのみ整える部分矯正の場合は、数ヶ月~1年ほどで治療が完了します。
インビザラインでは、透明なマウスピースを10日~2週間に一度交換しながら、少しずつ歯を移動させます。1枚のマウスピースで移動させる歯の距離は0.2mm〜0.25mm程度で、1日20〜22時間装着して理想の位置まで歯を動かすのです。
そのため、歯の移動距離が大きく、使用するマウスピースの枚数が増えるほど治療期間が長くなるでしょう。治療期間は、患者さまの年齢や歯の状態、口内の環境などで変動するので、詳しい期間や治療の進め方は歯科医師に確認してください。
インビザラインの治療期間が長くなるケース
治療計画を立てる際に目安となる期間が設定されますが、様々な要因で治療期間が長くなる場合があります。インビザラインの治療期間が長引く具体的なケースを3つご紹介します。
虫歯や歯周病などの治療が必要な場合
インビザラインの治療開始前には口腔内の検査を行います。虫歯や歯周病など、口腔トラブルが見つかれば治療しなければなりません。矯正治療の開始時期が遅れるので、治療期間が長引くでしょう。
インビザライン矯正中に虫歯や歯周病になる方もいます。矯正治療中は長時間マウスピースを装着したままなので、唾液の作用がうまく働かず虫歯のリスクが高まるのです。
虫歯などの治療が必要になった場合、歯を削ったことで歯型が変わります。治療前に作製したマウスピースが合わなくなると、マウスピースを作り直さなければなりません。
作り直しには1ヶ月程度かかるので、当初予定していた治療期間よりも長引くことが多いです。
抜歯が必要な場合
歯並びによっては抜歯が必要になる場合があります。歯並びが乱れている原因がスペース不足の場合、歯をきれいに並べるスペースを確保するために抜歯するのです。
抜歯を行う場合、歯を動かす距離が長くなるため、治療期間も延びるでしょう。マウスピース1枚で動かせるのは0.2~0.25mm程度なので、動かす距離が長いほど時間がかかります。
リファインメントが必要な場合
リファインメントとは、治療計画と実際の歯の動きが異なる場合や、治療で理想の歯列にならなかった場合などに、マウスピースを追加する工程のことです。マウスピースの枚数が増えるので、リファインメントをすると治療期間が長引くでしょう。
治療計画の修正は珍しいことではなく、リファインメントを2〜3回行う方もいます。時間はかかりますが理想の歯並びを目指すために必要な工程なので、不安な点は歯科医師に確認しながら進めましょう。
治療を計画どおりに終わらせるためには
インビザラインはマウスピースを使った矯正で、従来のワイヤー矯正と比べると自己管理が重要な治療法です。治療を計画通りに終了させて理想の歯列を手に入れるためには、歯科医師の指示や使用方法を守ることが大切です。
インビザライン矯正を計画どおり終わらせるための方法は、以下のとおりです。
装着時間を守る
好きな時にマウスピースを着脱できるのがインビザラインのメリットですが、正しく使用しないとスムーズに治療がすすみません。マウスピースの装着時間は1日20~22時間が目安です。食事と歯磨き以外の時間は、マウスピースを装着する必要があります。
食後や外出時のマウスピースの付け忘れ、紛失などで装着していない時間が長くなると、矯正力がかかっている時間が短くなるので計画どおりに治療がすすみません。動かした歯の後戻りの原因にもなります。
紛失の場合、新しいマウスピースが完成するまでには時間がかかります。追加の費用がかかることも多いので注意しましょう。
交換時期を守る
治療期間を伸ばさないためには、マウスピースの交換時期を守ることも非常に大切です。使用するマウスピースは、装着から10日~2週間程度で自分で交換しなければなりません。
スケジュール通りにマウスピースを交換して治療を進めることが大切です。
口腔内を清潔に保つ
口腔内を清潔に保つことも、治療期間を延ばさないための重要な要素です。矯正中に虫歯や歯周病になると、治療を優先しなくてはなりません。
虫歯などの治療中は矯正が進まないので治療期間が長引くでしょう。また、食後のブラッシングを怠るなど口腔ケアが不十分な場合、歯が移動しにくくなることもあります。
マウスピースを清潔に保つ
マウスピースを清潔に保つことも重要です。マウスピースは歯にしっかりと密着するように作られているので、汚れが付いたまま装着すると適切な矯正力がかかりません。
歯がうまく移動しないので、治療が長引く原因になります。また、汚れが溜まると細菌の発生・増殖し、虫歯や歯周病の原因にもなります。
清潔に保つために、食事をする際は外しましょう。食後はすぐに歯磨きして、マウスピースも洗浄して再装着する必要があります。
また、マウスピースに湿気がある状態で保管すると、カビや細菌が発生するリスクが高まります。洗浄後は水気を切り、しっかりと乾燥させてからケースに片付けましょう。
定期的に通院する
治療が計画通りに進んでいるかを確認するために、定期的に検診を受けましょう。体調によっても歯の動きやすさは変わるので、当初の予定と異なる動きになっている場合もあります。
早期に発見できれば修正できるので、治療期間の延長を防げるでしょう。マウスピースの違和感や歯の痛みがない場合でも、必ず定期的に受診してください。
インビザライン矯正後の保定期間はどれくらい?
インビザラインで歯並びが整った後、治療前の歯並びに後戻りしないように保定する期間を設けます。保定期間と呼ばれる期間で、リテーナーという後戻り防止のための装置を装着して過ごします。
保定期間は、少なくとも1年以上、2〜3年とする歯科医院もあります。インビザラインで歯を移動させていた期間と同じ期間とする場合もあるでしょう。
保定期間にリテーナーの装着を怠ると、後戻りして再度矯正治療を行わなければならない可能性があります。軽度な後戻りであればリテーナーをしっかり装着していれば改善できることもありますが、後戻りしないように医師の指示に従って装着しましょう。
装着時間は歯列や口内の状態によって異なりますが、インビザラインのマウスピースと同様に1日20〜22時間と指示されることが多いでしょう。歯並びが安定してきたら、徐々に装着時間が減るのが一般的です。
まとめ
インビザラインは、透明な着脱可能な目立ちにくいマウスピースを使用する矯正治療です。歯や顎に過度な負担をかけないよう少しずつ歯を移動させていくため、2年程かけて理想の歯列を目指します。
ワイヤー矯正などに比べると痛みが少なく、食べ物が器具に挟まって不快に感じることもありません。
着脱可能な分、清潔に保つためのお手入れや次のマウスピースの交換などの自己管理が重要な治療です。マウスピースをしっかり管理できなければ、治療期間が長引く可能性があるでしょう。
装着時間や交換時期をしっかりと守り、定期検診も欠かさずに受けることで計画的に治療を進められます。保定期間もしっかりとマリテーナーの着用を続けていくことで、理想の歯並びや口元のラインを維持しましょう。