インビザライン・ファーストのメリット・デメリットを徹底解説!
2024年07月20日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
インビザラインは、透明のマウスピースを装着することで少しずつ力をかけて歯を動かし、歯並びを整える治療です。アメリカに本社があるアライン・テクノロジー社が提供している矯正治療で、世界中で多くの歯科医院が行っています。
インビザライン・ファーストは、永久歯に生え変わる前のお子さまを対象としています。他の治療と比べて治療中であることが目立たず、負担が少ないことからインビザライン・ファーストを選ぶ保護者の方が増えています。
今回は、インビザライン・ファーストについて解説し、メリット・デメリットなどをご紹介します。
インビザライン・ファーストとは?
インビザライン・ファーストは、乳歯から永久歯に生え変わる時期のお子様を対象とした矯正治療です。適応年齢は6〜10歳とされていますが、口内の状態によっては6歳より前、もしくは10歳以降でも治療を受けられることがあります。
具体的な条件は、第一大臼歯が生えていること、前歯のうち2本が2/3以上生えていること、少なくとも3/4顎に乳歯(もしくは生えていない永久歯)が2本以上あることと決められています。この条件を満たしていれば、インビザライン・ファーストの治療を受けられます。
インビザライン・ファーストの大きな特徴は、顎骨の拡大と歯の移動を同時に行えることです。他の小児矯正ではこれらを同時に行えないので、治療期間が延びたり、2つの装置が必要なことから費用の負担が増加したりします。
インビザライン・ファーストでは、顎の成長を利用して永久歯がきれいに並ぶスペースを作りながら、歯を移動させて歯並びを整えることが可能です。軽度の受け口、すきっ歯、開咬、ディープバイトなど、さまざまな不正咬合に対応できます。
費用の相場は40万円~80万円程度、治療期間は最大で1年半です。インビザライン・ファーストは自由診療であるため、歯科医院によって費用が異なるので事前に確認しておきましょう。
インビザライン・ファーストのデメリット
インビザライン・ファーストのデメリットは、以下の通りです。
治療を受けられないことがある
インビザライン・ファーストは、明確に適応条件が設けられている治療です。そのため、その条件に当てはまらないと治療を受けられません。
永久歯への生え変わりが完了すると受けられなくなるので、インビザライン・ファーストを検討している場合は早めに歯科医院を受診して相談するべきでしょう。
マウスピースの管理が必要
インビザライン・ファーストは、毎日20~22時間マウスピースを装着することを前提としています。そのため、お子さまが学校に行っている間や、外出している時も装着する必要があります。
毎日しっかりとお子さま自身が装着し続けられなければ、インビザライン・ファーストの治療は成功しないでしょう。
マウスピースの清掃が必要
マウスピースは食事や歯磨きの時に外しますが、外した時は清掃する必要があります。基本的には流水で軽く洗い流すか、柔らかい歯ブラシで優しく磨けば問題ありません。
ただし、清掃を怠ると虫歯や歯周病の原因になります。虫歯や歯周病になれば、矯正治療を一度中断してそちらの治療に専念しなくてはいけないこともあるでしょう。
歯磨きをしっかりしない場合も、同様に虫歯や歯周病の原因になります。食事でマウスピースを外したタイミングで清掃する必要があるので、それを習慣化できるかどうかが大切です。
マウスピースの破損・紛失のリスクがある
マウスピースは取り外せるからこそ、破損や紛失のリスクがあります。着脱の際に傷つけたり、外した際に破損・紛失したりすることは非常に多いトラブルです。
マウスピースの破損・紛失を防ぐために、マウスピースの正しい着脱方法を身につけ、専用のケースに必ず入れておくようにしましょう。
インビザライン・ファーストのメリット
ここまでデメリットをご紹介しましたが、インビザライン・ファーストはメリットの多い治療です。メリットは以下の通りです。
痛みや違和感が少ない
インビザライン・ファーストで使用するのは柔らかい素材のマウスピースなので、装着した際に痛みや違和感が少ないことが大きな特徴です。ワイヤー矯正と比較して、歯に加えられる力も緩やかです。
毎日快適に装着し続けられるということから、インビザライン・ファーストを選択する方も少なくありません。
治療中も目立たない
使用するのは透明のマウスピースであるため、装着していても目立たず気づかれることがあまりないです。お子さまの場合、友だちから矯正装置を指摘されて治療を続けることを嫌がることも考えられます。
インビザライン・ファーストは目立ちにくいので、続けやすいといえるでしょう。
取り外しができる
入学式や卒業式、スポーツをする際など、矯正装置を外したい時もあるでしょう。インビザライン・ファーストのマウスピースは患者さまご自身で着脱が可能です。
いつもと同じ生活をしながら、治療を進められるのがメリットのひとつです。
抜歯せずに矯正できる可能性が高まる
インビザライン・ファーストは、成人矯正とは異なり顎の成長を利用してすべての永久歯が並ぶためのスペースを作ります。将来的に再度矯正治療が必要になっても、抜歯が不要になる可能性が高まるでしょう。
金属アレルギーでも治療できる
インビザライン・ファーストは金属不使用であるため、金属アレルギーの方でも安心して治療が受けられます。金属アレルギーで矯正治療を諦めていた方でも、歯並びを整えられる可能性があります。
口内炎などのトラブルが少ない
矯正治療をしている時に、お口の中の粘膜に装置があたって口内炎が発生することは珍しくありません。インビザライン・ファーストのマウスピースは柔らかい素材であるため、そのリスクは低いです。
装着時間を守れるのであれば、痛みを感じた時に外すことも可能です。
お口周りの癖を改善できる
指しゃぶりや口呼吸の癖など、歯並びを悪くする癖も改善できる可能性があります。舌の正しい位置を覚えるなど、将来的に歯並びが乱れる原因を排除することもできるでしょう。
インビザライン・ファーストとほかの矯正方法との違いは?
インビザライン・ファーストの他にも、小児矯正治療ではさまざまな矯正装置が用いられています。
見た目
インビザライン・ファーストでは透明なマウスピースを使用するため、装着していることがほとんど目立ちません。学校や友達との交流においても、見た目を気にせず自信を持って過ごすことができるでしょう。
小児矯正で使用する他の装置としては急速拡大装置や床矯正の装置などが挙げられますが、これらは金属が歯にかかるため目立ちます。2期治療でワイヤー矯正を選択した場合、金属製のワイヤーやブラケットを歯に固定するため、見た目を気にする子どもも多いです。
しかし、インビザライン・ファーストであれば矯正装置の見た目が目立ちません。矯正装置を装着していることを気にする必要がないので、心理的な負担を軽減できるでしょう。
取り外せるかどうか
インビザライン・ファーストのマウスピースは簡単に取り外すことができるため、食事や歯磨きの際に外して清潔を保つことが可能です。口腔衛生を維持しやすいだけでなく、食事内容の制限もありません。
矯正治療中でも好きなものを食べられるので、ストレスなく過ごせるでしょう。
上述した急速拡大装置やワイヤー矯正の場合は取り外すことができません。食事中も装着したままなので、食べ物が装置に詰まりやすいです。歯磨きも難しくなるので、虫歯や歯肉炎のリスクが高まる可能性があります。
治療の負担
インビザライン・ファーストでは透明で薄いマウスピースを使用します。金属を使用しないため口内が傷ついたり不快感が生じたりすることが少なく、快適に治療を進めることができます。
特に、活発に動く子どもにとって、痛みの少ない治療法はメリットが大きいです。金属のパーツがあると、口内に触れて痛みや炎症を引き起こすことがあるので不快に感じることが多いです。
不快感が強く現れると、治療を継続できなくなる可能性もあるでしょう。
通院回数
インビザライン・ファーストは、マウスピースの交換を自宅で行うため他の矯正方法を選択した場合と比べると通院回数が少ないです。定期的なチェックは必要ですが、2〜3ヶ月に一度と指示されるケースが多いです。
他の矯正方法の場合は1ヶ月に一度と指示されることが多いので、通院頻度が低いこともインビザライン・ファーストの特徴です。頻繁に通院するのはお子様にとっても保護者の方にとっても負担なので、続けやすい治療法といえます。
まとめ
乳歯から永久歯へ生えかわる時期の子どもを対象としたインビザライン・ファーストは、さまざまなメリットのある矯正治療です。適応条件がはっきりしている治療なので、興味のある方は早めに歯科医師にチェックしてもらいましょう。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。