インビザライン・ファーストの対象年齢と子どものうちに矯正するメリット

2024年03月23日(土)

小児歯科

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

インビザライン・ファーストの対象年齢の子どもたち

大人の歯列矯正として実績が高いインビザラインから、子どもの歯列矯正としてインビザライン・ファーストが提供されています。インビザラン・ファーストを子どもの歯列矯正の選択肢として考える場合、対象年齢が気になるかもしれません。

本記事では、インビザライン・ファーストの対象年齢や治療期間について解説します。子どものうちに矯正するメリットについてもあわせて解説するため、参考にしてください。

インビザライン・ファーストとは?

インビザライン・ファーストのマウスピース

インビザライン・ファーストとは、マウスピース矯正のインビザラインを子ども用にカスタマイズしたものです。1~2週間ごとにマウスピースを交換し、徐々に歯を動かします。

インビザライン・ファーストの最大の特徴は、混合歯列期に実施する1期治療で顎の成長のコントロールと歯列の調整を行えることです。混合歯列期とは、乳歯と永久歯が混在している時期です。

これまでの歯列矯正では、乳歯と永久歯が混在していると歯並びを整えるのは難しく、永久歯が生えそろうまで歯の移動は行いませんでした。1期治療で顎の成長をコントロールして永久歯が生えるための土台を作り、2期治療で実際に歯を移動させて歯並びを整えていたのです。

顎の成長をコントロールしながら歯並びを整えられることは、他の治療法にはない特徴と言えるでしょう。

また、インビザライン・ファーストは、マウスピースを装着することで少しずつ歯を動かす治療法です。従来の治療法に比べて大きな力が加わらないので、痛みや違和感が少ないとされています。

そのため、痛みなどに敏感なお子さまの矯正治療として、多くの方から選ばれているのです。

インビザライン・ファーストの対象年齢は?

インビザライン・ファーストの対象年齢の子どもイメージ

インビザライン・ファーストの対象年齢は6~10歳です。

しかし、この年齢はあくまで目安であり、重要なのは歯の生え変わりの状況です。年齢よりも、次の適応条件に着目すべきでしょう。

  • 第一大臼歯(前から6番目の歯)が萌出している
  • 切歯(前歯)のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している
  • 少なくとも3/4顎に乳歯(C、D、E)または未萌出の永久歯 (3、4、5)が2歯以上ある

これらの条件をすべて満たさないと、対象年齢に達していたとしてもインビザライン・ファーストは受けられません。条件を満たしているかわからない場合は、歯科医師にチェックしてもらいましょう。

インビザライン・ファーストの治療期間

インビザライン・ファーストの治療期間イメージ

インビザライン・ファーストは治療期間が決められており、最大で18か月です。一般的には6か月~1年程度で治療が終了する傾向にあります。

ただし、これはあくまで目安であり、子どもの歯の状態や矯正治療の進行度合いによって変わります。治療開始前にカウンセリングをおこない、どのくらいの期間になるか目安を教えてくれるので確認してみましょう。

子どもの歯並びが悪いとどのような影響がある?

子どもの歯並びが悪いとどのような影響があるか考える子供

「子どもの歯並びが悪いけれど、歯は生え変わるから矯正はしなくてもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。結論から言うと、子どもの歯並びが悪いと、子どもの成長発達に悪い影響を及ぼす可能性があります。

子どもの歯並びが悪いと、どのような影響があるのか確認しましょう。

虫歯になりやすい

歯並びが悪いと歯がでこぼこしているため、歯磨きがしにくく虫歯になりやすいといわれています。デンタルフロスを使って丁寧に歯磨きができれば虫歯を予防できますが、歯並びは整っていたほうが虫歯のリスクを減らせます。

噛み合わせが悪くなる

歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなります。噛み合わせが悪いと、身体にもさまざまな影響を及ぼすでしょう。

まず、うまく食べ物が噛めない場合が多いです。噛み合わせが悪いので噛む力が弱く、とくに硬い食べ物が食べづらくなることもあるでしょう。やわらかい食べ物ばかりを選んで食べるため、顎の力も弱くなります。

また、うまく噛めずに飲み込むため、消化不良を引き起こす可能性も高まるでしょう。

噛み合わせが悪いと、顎関節症などを発症するリスクも高まります。口周りの筋肉を正しく使えず、顎関節にも悪影響を及ぼすためです。

発音が悪くなることもあるでしょう。とくにさ行・た行・ら行が不明瞭になりやすく、コミュニケーションに影響を及ぼす可能性が高まります。

見た目にコンプレックスをもつ

とくに年齢が上がってくると、歯並びが悪いことで見た目にコンプレックスをもつ子どもが増えてきます。自分と他人の違いが見えてくると、自分だけ歯並びが悪いことに対して違和感を持ちはじめるでしょう。

子どもによっては、歯並びを隠すために口元を隠したり、口をあけて笑わなくなったりします。積極性が失われたり、コミュニケーションや人間関係に影響が出たりすると考えらえているのです。

子どものうちに歯並びを矯正するメリット

子どものうちに歯並びを矯正するメリットイメージ

子どものうちは矯正をしなくてよいと考える方もいるかもしれません。

しかし、子どものうちに矯正しておいたほうがさまざまなメリットを享受できます。子どものうちに歯並びを矯正することで得られるメリットは、次のとおりです。

治療費用を抑えられる

歯列矯正は、大きく1期治療と2期治療に分けられます。1期治療は乳歯と永久歯が混在する時期に行う治療で、基本的には顎の骨を適切に成長させることを目的としています。

2期治療は、永久歯が生えそろってから行う治療です。大人の歯列矯正と同様の方法で、歯を移動させて歯並びを整えることを目的としています。

1期治療だけでは歯並びが整わないことはありますが、1機治療を受けていれば歯を並べるための土台は整っているでしょう。2期治療が必要な場合でも、治療期間や費用を抑えられる傾向があります。1期治療だけで歯並びが整い、2期治療が不要になることもあります。

医療費控除の対象になることもある

基本的には、歯列矯正には保険が適用されません。全額自己負担なので、金銭的な理由から治療を迷う方もいるかもしれません。

しかし、子どもの矯正治療は医療費控除の対象になることがあります。子どもの歯並びが悪いと成長発達にさまざまな影響を及ぼす可能性があるため、このままでは成長発達に悪影響が出ると歯科医師が判断した場合は医療費控除の対象になります。

子どもの歯列矯正にかかった費用の負担は減らせる可能性があるのです。

歯並びを悪化させる癖を治せる

指しゃぶりや舌で前歯を押すなど、日常生活における癖によって歯並びが悪くなることがあります。子どものうちに矯正治療を開始すると、歯科医師から指導を受けることや、矯正器具を装着していることで、これらの癖を無理なく改善できるでしょう。

大人の場合でも、頬杖をつくなどの癖があると、矯正治療後に歯並びが再び悪化することがあります。大人になってから癖を改善するのは困難ですが、子どものうちに改善できれば歯並びの悪化を防げるでしょう。

顎の拡大をスムーズに行える

大人になってからおこなう歯科矯正は、おもに歯並びのみに着目します。大人は成長が終了しており、顎の拡大は難しい場合が多いためです。

しかし、子どもの矯正では歯並びだけでなく、顎の拡大もスムーズに行えます。子どもは大人よりも骨がやわらかく、成長途中であるため顎の骨を広げやすいのです。

新たに生える歯のために必要なスペースを確保できるので、新しい歯が生えてきたことによって歯並びが悪化することも防げます。

まとめ

インビザライン・ファーストのマウスピース

インビザライン・ファーストは、子どものための歯列矯正です。インビザライン・ファーストには対象年齢がありますが、年齢はあくまで目安であり、大切なのはインビザライン・ファーストをおこなう条件を満たせているかどうかです。

歯列矯正を子どものうちからおこなうべきか迷うかもしれませんが、歯並びが悪い状態でいると子どもの成長発達にさまざまな影響を及ぼします。歯並びが気になっている場合は、歯列矯正を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

インビザライン・ファーストを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。