インビザライン・ファーストの適応条件とは?治療のメリットも解説!
2024年03月09日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
インビザライン・ファーストはこども向けのマウスピース矯正です。透明で目立ちにくく、取り外して食事や歯磨きができるなど多くのメリットがあるため、検討中の方もいるのではないでしょうか。
「インビザライン・ファーストの適応条件は?」「インビザライン・ファーストにはデメリットもあるの?」などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。インビザライン・ファーストは6~10歳頃のこどもを対象としていますが、すべてのこどもが適応となるわけではありません。
今回は、インビザライン・ファーストの治療内容や適応条件、メリット・デメリット、注意点について解説します。こどもの歯並びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザライン・ファーストとは?
インビザライン・ファーストはこども向けのマウスピース矯正です。透明で目立ちにくく、取り外し可能なマウスピース型の矯正装置を使用します。
マウスピースを1日20〜22時間装着し、1~2週間ごとに交換して段階的に歯並びを整えていきます。顎の骨の成長をサポートしながら同時に歯並びを改善できるなど、従来の矯正にはない多くのメリットがある治療法です。
インビザライン・ファーストの適応条件とは?
インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯が混在する6〜10歳頃の子どもを対象としています。
ただし、年齢が該当すれば適応となるわけではありません。治療を受けるためには、以下の適応条件をすべて満たす必要があります。
- 第一大臼歯が萌出している
- 切歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している
- 少なくとも3/4顎に乳歯または未萌出の永久歯が2歯以上ある
上記の適応条件を満たしていても、歯の移動量が大きい症例や、骨格や歯の数に異常がある症例では、インビザライン・ファーストが適応とならない場合があります。治療ができるかどうかは歯科医師が判断するので、治療を希望される方は歯科医師の診察を受けてみましょう。
インビザライン・ファーストのメリット
インビザライン・ファーストには、従来の矯正にはない多くのメリットがあります。インビザライン・ファーストのメリットは、以下のとおりです。
日常生活への影響が少ない
インビザライン・ファーストのマウスピースは取り外しができるため、従来のワイヤー矯正のように食事制限がなく、食べかすが装置にはさまる心配もありません。また、歯磨きも普段通りに行えるため、矯正治療中でもしっかりと口腔ケアができます。
マウスピースを装着したままスポーツや楽器の演奏も可能です。インビザライン・ファーストなら、日常生活への影響を最小限に抑えながら歯並びを整えることができます。
目立ちにくい
インビザライン・ファーストのマウスピースは目立ちにくいため、矯正装置の見た目によるストレスが軽減されます。従来のワイヤー矯正では、口を開けたときに歯に装着している金属製のワイヤーやブラケットが目立ちます。
インビザライン・ファーストのマウスピースは薄く透明なので、装着していても周囲の人に気付かれにくいです。口元の見た目を気にせず歯並びを整えられるのは大きなメリットでしょう。
痛みや違和感が少ない
従来の矯正方法では、大きな力を加えて歯を動かすため痛みを伴います。インビザライン・ファーストはマウスピースを交換しながら段階的に歯を動かすため、歯の移動による痛みが少ないです。
マウスピースを交換した直後は多少の違和感を伴いますが、すぐに慣れるでしょう。
トラブルが起こりにくい
ワイヤー矯正では、矯正装置が舌や粘膜に当たって傷ができたり、口内炎ができたりすることがあります。インビザライン・ファーストのマウスピースはやわらかく歯にぴったりフィットするため、舌や粘膜を傷つけるリスクを低減できます。
金属アレルギーの心配がない
インビザライン・ファーストのマウスピースは、プラスチックでつくられています。そのため、金属アレルギーがあるこどもでも安心して治療を受けられます。
通院頻度が少ない
従来のワイヤー矯正は固定式なので、装置の調整のための通院が1か月に1回必要です。インビザライン・ファーストは自宅でマウスピースを交換できるため、通院は1~2か月に1回程度です。
習い事などで忙しいこどもでも、無理なく治療を進められるでしょう。
治療期間を短縮できる
こどもの矯正治療には、乳歯と永久歯が混在する時期に行うⅠ期治療と、永久歯が生え揃った時期に行うⅡ期治療があります。従来のこどもの矯正では、Ⅰ期治療で顎を拡げてからⅡ期治療で歯並びを整えるのが基本でした。
一方、インビザライン・ファーストは顎の成長と歯並びを同時にコントロールできます。永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保しながら歯並びも整えられるため、治療期間を短縮できるのです。
歯を抜かなくても矯正できる
インビザライン・ファーストは、歯並びだけでなく顎の成長もコントロールできます。永久歯をきれいに並べるスペースを確保できため、永久歯に生え変わったあとに矯正治療が必要になっても、抜歯のリスクを低減できるでしょう。
インビザライン・ファーストのデメリット
インビザライン・ファーストには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。納得して治療を受けるために、デメリットも十分に理解しておきましょう。
インビザライン・ファーストのデメリットは、以下のとおりです。
適応条件がある
インビザライン・ファーストには適応条件があり、条件を満たさない場合は治療を受けられません。また、歯並びや顎の状態によってはワイヤー矯正など、ほかの矯正方法が適応となるでしょう。
装着時間を守らなければならない
インビザライン・ファーストで歯並びを整えるためには、毎日20〜22時間マウスピースを装着する必要があります。マウスピースを装着することで歯に力を加えているため、装着時間が短いと歯の移動や顎の拡大が進みません。
装着時間を守れないと計画通りに治療が進まず、治療期間が延びるでしょう。簡単に取り外しができるのはメリットですが、こどもの努力と保護者の方のサポートが必須となります。
マウスピースの洗浄が必要
インビザライン・ファーストではマウスピースを長時間装着するため、毎日洗浄しなければなりません。洗浄を怠ると細菌が増殖し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。カビが生えたり、マウスピースに色が付いたりすることもあるでしょう。
マウスピースを取り外したら、水またはぬるま湯を使用して指でやさしくこすり洗いしてください。汚れがとれないときは、柔らかい歯ブラシを使用して汚れを除去しましょう。
1週間に1~2回程度マウスピース専用の洗浄剤を用いると、汚れやにおいを効果的に除去できます。マウスピースは毎日洗浄して清潔に保ちましょう。
破損・紛失のおそれがある
マウスピースを取り外した際は、適切に保管しないと破損や紛失のおそれがあります。マウスピースに強い衝撃が加わると割れたり欠けたりする可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。
万が一マウスピースを破損・紛失すると作り直しが必要になり、その分治療期間が延長します。マウスピースを取り外したらケースに入れて大切に保管しましょう
インビザライン・ファーストの注意点
インビザライン・ファーストでは、スムーズに治療を進めるために気を付けなければならないことがあります。インビザライン・ファーストの注意点は以下のとおりです。
装着時間を守る必要がある
インビザライン・ファーストで歯並びを整えるためには、1日20〜22時間マウスピースを装着する必要があります。マウスピースを装着することで歯に力を加えているため、装着時間を守らないと計画どおりに治療が進みません。
最初は違和感があり外したくなるかもしれませんが、ほとんどの場合は装着しているうちに慣れます。食事と歯磨きのとき以外は、マウスピースを装着して過ごしましょう。
抜歯が必要になるケースもある
マウスピースで歯の動きをコントロールできない場合、抜歯が必要になることがあります。マウスピースを正しく装着できていなかったり、装着時間を守れていなかったりすると歯の動きを適切にコントロールできません。
治療計画と実際の歯の動きのズレが大きくならないよう、定期的に通院して歯科医師にチェックしてもらいましょう。
治療期間が延びることがある
インビザライン・ファーストは歯並びと顎の成長を同時にコントロールできるため、治療期間が短いとされている治療法です。
しかし、歯の動きが少なかったり、反対に歯が動きすぎたりと、治療計画と実際の歯の動きにズレが生じることがあるのです。そのような場合、治療計画の修正やマウスピースの作り直しが必要となり、治療期間が延長するでしょう。
保定装置をつけないと後戻りする可能性がある
インビザライン・ファーストの治療後は、歯並びが元の状態に戻る後戻りを防ぐため、保定装置(リテーナー)を装着します。インビザライン・ファーストに限らず、矯正治療後は歯並びを固定する保定期間に入ります。
保定期間は2~3年程度が目安ですが、歯並びや噛み合わせによって変動します。インビザライン・ファースト治療後は、歯科医師の指示どおりに保定装置を使用して後戻りを防ぎましょう。
まとめ
インビザライン・ファーストは、顎の成長と歯並びを同時にコントロールできるこども向けのマウスピース矯正です。透明で目立ちにくく、取り外して食事や歯磨きができ、痛みや違和感が少ないなど多くのメリットがあります。
インビザライン・ファーストは乳歯と永久歯が混在する6~10歳頃のこどもを対象としていますが、治療を受けるためには適応条件をすべて満たさなければなりません。適応は実際の年齢ではなく、歯の年齢です。
6~10歳のこどもでも、生え変わりの状態によっては適応とならないことを理解しておきましょう。まずは歯科医師のカウンセリングを受け、治療が可能か相談するとよいでしょう。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。