インビザライン矯正のマウスピースが浮くと影響はある?対処法も解説

2024年06月22日(土)

矯正歯科

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

インビザライン矯正のマウスピースを持っている女性

インビザライン矯正とは、取り外し可能な透明のマウスピースを装着して歯並びを整える治療法です。目立ちにくく、普段通りに食事ができるため選ぶ方が多い矯正方法のひとつです。

しかし、インビザライン矯正中にはマウスピースが浮くというトラブルが生じることがあります。このような状態でマウスピースを装着していても、治療計画通りに歯を動かすことはできません。

そこで今回は、インビザライン矯正のマウスピースが浮く原因や影響、対処法などについて詳しく解説します。

インビザライン矯正のマウスピースが浮く原因

インビザライン矯正のマウスピースが浮く原因イメージ

では、インビザライン矯正のマウスピースはどのようなことが原因で浮くのでしょうか。ここでは、マウスピースが浮く原因について解説します。

装着時間が不足している

インビザラインのマウスピースが浮く原因として、装着時間の不足が挙げられます。まず、インビザライン矯正ではマウスピースを1日20~22時間装着する必要があります。

装着時間が不足すれば、当然ながら治療計画通りに歯は移動しません。その結果、マウスピースが合わなくなり浮くことが考えられます。

マウスピースに変形や破損が生じている

インビザラインのマウスピースは柔らかいシリコン素材でつくられているため、正しく扱わないと変形するリスクが高くなります。例えば、マウスピースを取り外す際に無理やり強く引っ張ったり、装着したまま熱い飲み物を飲んだりすると変形を招く恐れがあるのです。

そのほか、歯ぎしりや噛みしめなどによって、日常的にマウスピースに強い力がかかるとヒビが入ることがあり、マウスピースが変形・破損すると浮くことがあるのです。

ゴムかけの力が強すぎる

インビザライン矯正では歯を効果的に動かすためにゴムかけという処置を行うことがあります。ゴムかけではマウスピースに切り込みを入れたり突起物をつけたりしてゴムを装着し、歯に強い力をかけます。

ゴムの太さや種類は症例によって異なりますが、ゴムの力が強すぎるとマウスピースが引っ張られて浮くことが考えられるのです。

奥歯が沈んでいる

日常的に噛みしめなどを行っている場合、強い負荷がかかることで奥歯が沈むことがあります。奥歯が沈むとマウスピースと奥歯との間にすき間ができるため、マウスピースが浮くことがあるのです。

歯の移動が進んでいない

マウスピースの一部が浮くようなケースでは、浮いている部分の歯の移動が予定通りに進んでいないことが考えられます。インビザライン矯正では治療前に詳細な計画が立てられますが、治療計画にズレが生じるケースもあるのです。

マウスピースを正しく装着できていない

マウスピースが浮く原因として、マウスピースを正しく装着できていないことも挙げられます。特に、歯とマウスピースを密着させるための補助具であるチューイーを使用せずに指だけで装着している場合には、インビザラインのマウスピースが浮きやすくなります。

アタッチメントを装着していない

アタッチメントとは歯を効果的に動かすための突起のことですが、見た目を重視するために前歯にアタッチメントを装着しないケースがあります。アタッチメントを装着していないと、マウスピースがズレやすくなるため前歯部分が浮く可能性が考えられるでしょう。

マウスピースを交換した直後である

インビザライン矯正では1〜2週間に1回程度の頻度で、新しいマウスピースに交換しながら治療を進めていきます。そのため、新しいマウスピースに交換して間もない時期はマウスピースが馴染んでいないように感じることがあるのです。

このような場合、2~3日ほどすれば気にならなくなることがほとんどですが、それ以降も浮いているように感じる場合には歯科医院で相談してください。

インビザライン矯正のマウスピースが浮くと影響はある?

インビザライン矯正のマウスピースを持っている歯科医師

インビザライン矯正中、マウスピースが浮いたままだと、さまざまなリスクが考えられます。ここからは、マウスピースが浮くことによる影響について確認しましょう。

計画通りに治療が進まなくなる

マウスピースが正しく装着されていない状態では、当然ながら歯に力をかけることができません。マウスピースが浮いたままだと歯が移動せず、計画通りに治療が進まなくなる可能性があるでしょう。

最悪の場合、次のマウスピースが装着できなくなり作り直しが必要になることもあります。理想の歯並びが手に入らないどころか、治療期間が延びたり追加費用がかかったりすることも考えられるため注意が必要です。

歯並びが乱れる

浮いたままのマウスピースを装着し続けた場合、本来力がかかるべき部分とは別の部分に力がかかることが考えられます。その結果、歯並びが乱れるケースもあるでしょう。

口腔内が傷つく

マウスピースが大きく浮いているような場合には、マウスピースのフチがお口の中の粘膜に当たって傷ついたり炎症を起こしたりすることがあります。

痛みや炎症がひどい場合には、治療を一度中断しなければなりません。潰瘍やびらんが生じるケースでは、回復するまで治療を中断する必要があるでしょう。治療を中断している時間が長期に及べば、せっかく動いた歯並びが後戻りする可能性もあります。

インビザライン矯正のマウスピースが浮くときの対処法

インビザライン矯正のマウスピースが浮き歯科医師へ相談している人

では、インビザライン矯正のマウスピースが浮くときはどのように対処すればよいのでしょうか。ここからはマウスピースが浮くときの対処法を3つご紹介します。

装着時間を守る

マウスピースの装着時間が守られていない場合には、必ず装着時間を守るように心がけましょう。装着し忘れることが多い場合には、スマートフォンのリマインダー機能を使用するなどして、装着時間を守ることが大切です。

チューイーを使用する

チューイーとはマウスピースと歯をしっかり密着させるための補助具のことです。チューイーはシリコン製の弾力のある素材でできています。マウスピースを装着した際にチューイーを歯全体でまんべんなく噛むことにより、歯とマウスピースの密着性を高められます。

チューイーはマウスピースとセットでもらえることが一般的ですが、紛失した場合には追加で購入できるので歯科医院で相談してみてください。

1つ前のマウスピースに戻す

マウスピースの装着時に違和感をおぼえる場合には、新しいマウスピースを装着できる段階まで歯が動いていないことが考えられます。特に、1つ前のマウスピースの使用中に装着忘れなどがあった場合には、忘れた日数分を追加で装着する必要があるでしょう。

うまくフィットしないマウスピースを装着しても効果が得られないどころか、口腔内を傷つける可能性もあるため、1つ前のマウスピースを装着して様子をみることも方法のひとつです。

ただし、1つ前のマウスピースを装着しても浮きが大きい場合には、治療計画の見直しが必要かもしれません。

歯科医院で相談する

ここまでいくつかの対処法をご紹介しましたが、これらを試しても浮きが改善されないようであれば歯科医院で相談しましょう。場合によっては、マウスピースが変形・破損していたりゴムかけのゴムの力が強すぎたりすることもあるでしょう。

また、浮き具合が大きく、計画通りに治療が進まない場合には、マウスピースの作り直しが必要になるケースもあります。

密着性の低いマウスピースをそのまま放置していても歯並びを整えることができず、治療期間が延びたり追加で費用がかかったりすることも考えられますので、できるだけ早めに歯科医院を受診してください。

まとめ

インビザライン矯正をしている人

インビザライン矯正中はさまざまなことが原因でマウスピースが浮くことがあります。マウスピースの浮きをそのままにしていると、治療計画通りに歯が動かなくなり、治療計画の見直しやマウスピースの作り直しが必要になることがあります。

また、合わないマウスピースを無理やり装着し続けることにより、口腔内を傷つけて痛みや炎症が生じることも考えられるでしょう。

マウスピースが浮く原因にはマウスピースの破損や変形などが関係していることもありますので、装着時に違和感を覚えるようであれば歯科医院で相談してください。

インビザラインを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。