こどもの歯磨きの仕方と仕上げ磨きのコツ!嫌がるときの対応法も解説

2023年07月06日(木)

小児歯科

こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。

歯磨きする親子(笑顔)

お子さまのお口の健康に気をつけていらっしゃる保護者の方は「こどもの歯磨きで気をつけるべきポイントはどこか」「こどもの歯磨きはいつからするとよいのだろう」など、考えていらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、こどもの歯磨きの仕方や仕上げ磨きのコツ、歯磨きを嫌がるときの対処法などをご紹介します。こどもの歯ブラシ学習は、成長に合わせてポイントをおさえることが大切です。お子さまに歯磨きの大切さを知ってもらいたい、虫歯になってほしくないと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

こどもの歯磨きはいつからすべき?

クエスチョンマーク

こどもの歯磨きは、歯が生え始めた頃からすぐに始めましょう。

個人差がありますが、多くの場合、生後6〜9か月で下の前歯から生えてきます。下の前歯が出てきたら歯磨きを開始するとよいでしょう。

初めは、ミルクを飲んだあとにガーゼで歯を軽くふく程度にします。指にガーゼをまき、そっと優しくふいてあげてください。また、乳児用の歯ブラシを、歯にそっとあててケアするのもよいでしょう。

歯ブラシを使う習慣をつけさせたい場合は、歯が生えていない段階から歯ブラシを口に入れるのも効果的です。生後4〜6か月用のゴムやシリコン素材の歯ブラシもあり、歯茎を痛めることなく使用できます。

歯が生え始めてすぐに始めるとよい理由とは?

歯が生え始めてすぐに歯磨きを始める理由は、こどもが歯ブラシの感覚やお口の中に指や物入れる感覚に慣れるためです。

生後間もないこどもにとって、歯が生えてくることも歯磨きをすることも新しい体験です。歯が生えてすぐにケアを始めることで、こどもは歯磨きをする習慣を学び始めます。小さなうちに習慣化していると、大きな問題がなく自然に歯磨きができるようになるでしょう。

こどもの歯磨きはいつから自分でさせるべき?

こどもが自分で歯ブラシをもって歯磨きする練習は、歯が生えていない段階からできるだけ早く始めるのがよいでしょう。自然に学習すると、歯磨きを習慣化しやすくなるからです。

始めは歯磨きの仕方を教えるのではなく、歯磨きをお口の中に入れることやブラシを歯にあててゴシゴシすることなどを遊び感覚で教えます。大きくなって自我ができたときに歯磨きを開始させると歯磨きを嫌がることがあるため、できるだけ早く始めましょう。

こどもの歯ブラシの選び方

2本の歯ブラシ

こどもが正しい歯磨きの仕方を覚えるためにも歯ブラシ選びは重要です。こどもが歯磨きしやすくモチベーションのあがるものを選びましょう。

歯ブラシの選び方で意識するとよいポイントは、以下のとおりです。

こどもの年齢に合っているものを選ぶ

まずは、こどもの年齢に合っているサイズの歯ブラシを選びましょう。

こども用の歯ブラシは「1歳用」「0歳用」など、対象年齢が書かれています。お口や指先の発達に合わせて、ブラシの大きさやハンドルの形を工夫し、使いやすいようにデザインされています。こどもの成長にもよりますが、表示されている対象年齢を参考にするとよいでしょう。年齢に合っている歯ブラシの選び方が分からない場合は、歯科医院で相談しましょう。

先が丸く加工されているものを選ぶ

ブラシの先が、丸く加工されているタイプの歯ブラシを選びましょう。ブラシの先がとがっているタイプだと、歯茎を傷つけてしまうリスクがあるからです。

特に、こどもが自分で歯磨きをしている場合、力のコントロールが難しく、力一杯磨いてしまうことも少なくありません。また、歯茎にも歯ブラシがあたってしまうこともあるでしょう。歯茎に傷ができて痛みを感じると、こどもは歯磨きを嫌いになってしまうことがあります。

デザインや色を意識する

歯ブラシの時間を楽しいものだと認識させるために、歯ブラシのデザインや色を意識して選ぶことも大切です。例えば、次のことを意識しましょう。

 

  • 好きなキャラクターが描かれている歯ブラシを選ぶ
  • 好きな色を選ぶ

こどもは、自分の好きなものだとテンションがあがり、楽しんで歯磨きをすることも少なくありません。

初めはシリコンやゴム素材を選ぶ

こどもの歯ブラシを選ぶ際、最初はシリコン素材の歯ブラシを選ぶのがよいでしょう。

シリコン素材のブラシは、柔らかく、歯茎を傷つけません。哺乳瓶のお口やおしゃぶりもシリコン素材のため、こどもにとってもなじみのある素材です。歯ブラシを使って歯磨きするという新しい体験に対して、スムーズに受け入れやすくなるでしょう。また、飲み込み防止のプレートがついているタイプを選ぶと、事故防止となります。

こどもの歯磨きの仕方

2人のこどもが歯磨きをしている

始めは「歯ブラシに慣れてもらう」ことを目的に歯磨きをスタートしますが、歯が生えてくると虫歯予防として歯磨きは欠かせません。特に、乳歯は虫歯になりやすいため、大人以上に注意して歯磨きする必要があります。

こどもの歯磨きの仕方で気をつけるとよいポイントは、以下のとおりです。

小刻みに横に動かす

歯ブラシを小刻みに動かすことを意識しましょう。

つい「ゴシゴシ」と力一杯大きな動きで動かしがちですが「シャカシャカ」と小さな動きを意識することで、汚れが落ちやすく、歯茎が傷つきにくくなります。1ストローク(1回の動き)の目安は、歯1〜2本分です。磨き方を説明した動画を見ながら親子で一緒に歯磨きすると、楽しみつつ正しい歯磨き方法を習得できます。

泡が立たないジェル状の歯磨き粉を使う

歯磨き粉は、泡が立たないジェル状のタイプがよいでしょう。お口が泡で一杯になると、歯磨きがしにくく、ブラシの先が歯にあたらないことがあるからです。

ジェル状のタイプなら、泡が出ないため歯磨きに集中できます。汚れを落とすことが目的のため、歯磨き粉は絶対に使わないといけないわけではありません。

しかし、歯磨き粉を使うと、以下のメリットがあります。

 

  • こどもの好きな味だと歯磨きをしやすくなる
  • フッ素効果の高いものを使うと虫歯予防となる

歯磨き粉を使うか、使わないかについては、お子さまの好みや状況によって判断してください。

親が仕上げ磨きをする

親が仕上げ磨きをすることは大切です。お子さまに歯磨きの仕方を教える場合、完璧を目指さないようにしましょう。

磨き残してあたり前と考え、あくまで以下を目標としてください。

 

  • 歯磨きは楽しいとこどもが感じるようにする
  • 正しい歯磨きの仕方を覚える(できているかは別問題)

お子さまが磨いたあと、仕上げ磨きをしてフォローしましょう。

染めだしをして目で分かりやすくする

歯磨きのあとに染め出しをしてチェックすることも効果的です。目で分かりやすくすることで自分の磨けていない部分が理解できるからです。

簡単に染められる染め出し剤は、歯科医院でも取り扱っているだけでなく、市販品もあります。赤くなっているところを一緒に鏡で見ながら「ここに、ばい菌がまだ残っているよ」と説明してあげると、お子さまも歯磨きの大切さを認識しやすくなるでしょう。

仕上げ磨きのコツ

キーポイントをあらわす付箋

上記でご紹介したとおり、こどもの歯磨きには保護者の仕上げ磨きが欠かせません。

しかし、こどもが「痛い!」「嫌だ!」などと叫び、思ったようにいかないこともあるでしょう。以下、仕上げ磨きをするときに注意するとよいポイントを解説します。

親が仕上げ磨きの練習をする

何より重要なのは、親が仕上げ磨きの練習をすることです。

こどもは、一生懸命になるあまりに力を入れすぎてしまっている可能性があります。こどものお口の中はデリケートで、敏感に痛みを感じやすいため、まずは歯磨きの力や動かし方をマスターしましょう。例えば、下記のようにして仕上げ磨きの練習ができます。

 

  • パートナーと仕上げ磨きの練習をする
  • ご自身で小刻みに動かす練習をする

仕上げ磨きも、1ストロークの動きを歯1〜2本分くらいの小さな動きを心がけましょう。桃の皮をこすっても傷つかないくらいの優しい力で、小刻みに動かすことも大切です。すぐに歯ブラシが広がってしまう場合は、力が強い可能性があります。歯科医院で相談すると、仕上げ磨きの正しい方法を教えてくれるでしょう。

上唇小帯には気をつける

上唇小帯は、特に痛みを敏感に感じる部位です。仕上げ磨きのときにブラシの先や歯ブラシのプラスチックの部分が上唇小帯にあたらないように注意し、指でカバーして磨きましょう。

上唇小帯とは、上唇の中心にある「ひだ」です。大人は上唇小帯が小さく、目立たないことも少なくありません。

しかし、こどもは上唇小帯が大きく、上の前歯の中心近くまで食い込んでいる場合があります。お子さまが歯磨きを痛がるときは、上唇小帯にあたっている可能性を疑いましょう。

こどもが安心できる体制で磨く

こどもが安心できる体制で仕上げ磨きをすることも大切です。例えば、以下の体制があげられます。

 

  • 膝に寝かせて磨く
  • 膝に座らせて磨く
  • こどもを立たせ保護者がうしろから回って磨く

保護者のお腹・脇・足でこどもの身体を固定して、優しく磨きましょう。

ポイントをおさえて磨く

仕上げ磨きのときには、こどもが自分で磨きにくいところを意識して重点的に磨くことが大切です。例えば、以下のポイントをおさえておきましょう。

 

  • 歯と歯の間
  • 歯と歯茎の境目
  • 噛み合わせ
  • 奥歯
  • 第一大臼歯(生えてきた場合)

凸凹したところは、歯ブラシの毛先があたりにくく磨き残しがちです。仕上げ磨きのときにきちんと磨いてあげましょう。時間は3分を目安としてください。3分ほど楽しい音楽をかけながら、仕上げ磨きをするのもよいでしょう。

歯磨きを嫌がるときはどうしたらいい?

頬杖をついて悩んでいる女性

こどもが歯磨きを嫌がるときには、まず次のことを再チェックしましょう。

 

  • 力が強くなりすぎていないか
  • 仕上げ磨きが痛くないか
  • 仕上げ磨きの体制がきつくないか

仕上げ磨きを「痛い」「体制がきつい」などの理由で嫌がる場合は、原因を解決すればできるようになる可能性があります。

しかし、イヤイヤ期や歯磨き自体が嫌いなどの理由で嫌がる可能性も否定できません。こどもが歯磨きを嫌がるときにできる対策は、以下のとおりです。

痛くないようにこどもを固定し短期間で終わらせる

「嫌がるから」と歯磨きをしないでいると、こどものお口の中は汚れがたまり、虫歯のリスクが高くなります。こどもを痛くないように固定し、短時間で歯磨きを終わらせましょう。

注意点は、以下のとおりです。

 

  • 手首や頭をおさえ、一気に歯磨きをする
  • できるだけ同じ時間に磨き、ルーティーンにする
  • 不機嫌なときは臨機応変に対応する

できるだけ同じタイミングに歯磨きをすることで、こどもが「歯磨きはしないといけないものだ」と意識できるようにしましょう。

しかし、機嫌が悪いときに無理やり磨こうとするのは大変です。臨機応変に対応し、機嫌がいいときを見計らって仕上げ磨きをすることも効果的です。

寝る前の1回だけでも磨くようにする

理想は、食べたあとと寝る前に磨くことですが、どうしても難しい場合は1日に1回だけでも磨くことを目標にしましょう。

全力で抵抗するこどもと、1日何度も格闘するのは大変です。1回だけにすることで、保護者とこども双方のプレッシャーが減ります。食後はうがいをする、お茶を飲むなど、できるだけ食べカスが残らないようにしましょう。

まとめ

ポイントをまとめる女の子

大切なお子さまのお口の健康を守るためにも、正しい歯磨きの方法や習慣を身につけることは重要です。お子さまがスムーズに歯磨きができるようになるためにも、早い段階で歯ブラシを入れ、お口を掃除する習慣をつけましょう。

保護者の方が楽しそうに歯磨きしていると、お子さまも「やってみたい」と感じやすくなります。お子さまが「歯磨きは痛いものではなく、とても楽しいものだ」「歯磨きをするとスッキリして気持ちがよい」というイメージをもてるように、お子さまと一緒に楽しく歯磨きしましょう。

お子さまの歯磨きを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。