こどもの虫歯予防!虫歯になりやすいこどものための3つのポイント
2023年05月07日(日)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
「毎日こどもの歯を磨いているのに、虫歯になりやすい」とお悩みではありませんか。虫歯になりやすいこどもは、食生活や歯磨きの習慣など、3つの特徴があります。
今回は、虫歯になりやすいこどもの特徴や虫歯の原因について解説します。虫歯になりやすいこどものための注意すべき3つのポイントもご紹介していますので、こどもの虫歯にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
虫歯になりやすいこどもの特徴
虫歯になりやすいこどもの特徴は、以下の3つです。
- ダラダラ食べをする
- 磨き残しが多い
- 親の口腔環境が影響している
それぞれ詳しく解説します。
ダラダラ食べをする
虫歯になりやすいこどもの特徴の1つ目は、食事の時間が決まっていない、お菓子を頻繁に食べるなど、ダラダラ食べをすることです。
虫歯の原因となる虫歯菌は、食事やおやつに含まれる糖分を摂取・分解するときに酸を出します。この酸によって歯が溶かされることを「脱灰」といいます。脱灰が続くと歯が溶けて虫歯になりますが、虫歯を防ぐために重要な役割を果たすのが「唾液」です。唾液は、酸を中和し、溶けてしまった歯の表面を再石灰化して修復します。
口内は脱灰と再石灰化を繰り返していますが、ダラダラ食べをすることで口内のバランスが崩れ、虫歯になりやすくなるのです。
磨き残しが多い
こどもが小さいうちは、うまく歯磨きができなかったり、歯磨きを嫌がったりすることも珍しくありません。
歯垢(プラーク)には、虫歯菌を含め、たくさんの細菌が潜んでいます。きちんと歯磨きができていない、歯磨きの回数が少ないなどが原因で、歯に汚れがついたままだと虫歯になりやすいです。
虫歯を予防するには、こどものうちに歯磨きの習慣を身につけることが重要です。
親の口腔環境が影響している
生まれたばかりのこどもの口内には、虫歯の原因となる菌は存在しません。
親や祖父母などと食器を共有する、キスする、フーフーと息を吹きかけて食べ物を冷ますなどが原因で、こどもの口内に他人の唾液が入ることによって虫歯菌がこどもの口内に入るのです。2歳半〜3歳までに虫歯菌に感染しなければ、虫歯になりにくい歯になるといわれています。
虫歯になりにくいこどもを育てるには、虫歯菌をこどもの口内に入れないようにしましょう。また、虫歯菌を口内に入れないだけでなく、親の口腔環境を清潔に保つことも効果的です。
こどもの虫歯の原因
こどもの虫歯の原因は、以下の3つが考えられます。
- 虫歯菌
- 糖質
- 歯の質
それぞれ詳しく解説します。
虫歯菌
口内に虫歯菌がいなければ、虫歯になることはありません。
虫歯の原因となる代表的な菌は、ミュータンス菌です。ミュータンス菌は、食べ物に含まれる糖質をエサにして繁殖し、分解するときに歯を溶かす酸を出します。歯垢に潜んでいるため、歯磨きが不十分な場合虫歯になりやすいです。
糖質
糖質は、虫歯菌のエサになるため、甘いおやつやジュースを頻繁に摂る習慣があるこどもは虫歯になりやすいといえます。同じ量の糖質でも、ダラダラと頻繁に糖質を摂取するほうが虫歯になりやすいため注意が必要です。
こどもは胃が小さいため、1回の食事量が少なく、食事回数を増やして1日の栄養を摂る必要があります。そのため、こどもは大人と比べて食事回数が多く、虫歯になりやすいといえるでしょう。
歯の質
歯の質とは、もともと持っている歯の強さや唾液の質のことです。
歯の質には個人差があり、虫歯のなりやすさにも影響します。特に、乳歯や生えたばかりの永久歯は、大人の歯と比べると歯がもろいことが特徴です。きちんと歯を磨いていても虫歯になりやすいため注意が必要です。
虫歯はどのように進行する?
こどもは、大人に比べて歯がもろいため、虫歯になりやすいうえに進行しやすいといわれています。
虫歯は進行度によってC0〜C4とよばれ、それぞれ症状が異なります。
<虫歯の進行度と症状>
虫歯の進行度 | 症状 |
---|---|
C0(ごく初期の虫歯) | ・歯の表面が白く濁る
・自覚症状がない |
C1(エナメル質まで到達した虫歯) | ・歯の表面やみぞが茶色く変色する
・自覚症状がないことが多い |
C2(象牙質まで到達した虫歯) | ・歯に穴が空く、欠ける
・冷たいものがしみる |
C3(神経まで到達した虫歯) | ・歯が溶けて大きく欠ける
・冷たいものや熱いもの、甘いものがしみる ・何もしなくてもズキズキ痛む |
C4(歯の根の先まで到達した虫歯 | ・歯の大半が欠ける
・神経が死んでいるので痛みはないことが多い ・歯茎が腫れて痛むことがある |
虫歯は進行する病気なので、治療せずに放置すれば悪化し、我慢できない痛みが出ることもあります。
小さいこどもの場合、治療への恐怖心が強く、歯を削るような治療ができないケースも珍しくありません。そのため、日頃から虫歯を予防し、削る治療が必要ないほど小さな虫歯のうちに発見することが重要です。
ごく初期の段階の虫歯であれば、フッ素塗布や適切な歯磨きで治せることがあります。仕上げ磨きの際には、歯に変色したところがないか、穴が空いていないかなど、虫歯になっていないかをしっかりチェックしましょう。
こどもの虫歯を放置するリスク
こどもの虫歯を放置すると、乳歯だけでなく永久歯や顎の成長にも影響が出ることをご存じでしょうか。
以下、虫歯を放置するリスクをご紹介します。
永久歯への影響
永久歯は、乳歯が生えているときから歯茎の中で成長しています。そのため、虫歯を放置し、根の先まで虫歯菌が到達すると、永久歯がうまく育たないことがあるのです。
永久歯が変色する、へこむなど、色や形に影響が出ることがあるため、注意が必要です。
顎の発達への影響
こどもの顎は、上下の歯が噛みあうことで発達していきます。虫歯の痛みが影響し、うまく噛めない場合、顎が発達しない原因になります。顎の発達が不十分だと、噛み合わせの悪さや歯並びが悪くなることにもつながるでしょう。
また、片側でしか噛まないことで、左右の顎のバランスが悪くなったり顎関節症になったりすることもあるため、注意が必要です。
虫歯予防のための3つのポイント
こどもの虫歯を予防するための3つのポイントをご紹介します。
食生活を改善する
食事の時間が決まっていない、頻繁に甘いものを食べるなど、ダラダラ食べをするこどもは、虫歯になりやすいといえます。そのため、食事の時間を決め、1回の食事は長くても30分以内にするとよいでしょう。食後は必ず歯磨きする習慣を身につけ、糖質が口の中にある時間を減らすことが大切です。
また、虫歯になりにくいおやつを選ぶことも虫歯予防に効果的です。チョコレートやキャラメル、キャンディなどは、糖分が多く口の中に残りやすいため控えましょう。砂糖不使用のクッキーやビスケット、さつまいもや果物などを与えるとよいでしょう。
正しい歯磨きと仕上げ磨きを行う
磨き残しを放置すると、虫歯菌が繁殖し、虫歯になりやすいです。
小学校の高学年になるまでは、こどもの歯磨きだけでは不十分な可能性があります。磨き残しがないか、歯ブラシがきちんと歯に当たっているかなど、仕上げ磨きを行って確認してあげましょう。
また、日頃からフッ素入りの歯磨き粉やうがい液を使うことも効果的です。虫歯予防には、きちんと歯磨きをすることが大切なので、こどものうちに歯磨きの習慣を身につけましょう。
定期的に歯科医院に通う
毎日歯磨きをしていても、磨き残しはできてしまうものです。そのため、定期的に歯科医院でクリーニングを受け、お口のすみずみまで清潔に保ちましょう。
また、生えかけの永久歯は歯磨きが難しいため、歯磨き指導を受けることも重要です。こども一人ひとりに合わせた歯ブラシの持ち方や磨き方を学ぶことで、磨き残しを減らせるでしょう。さらに「フッ素」を歯に塗ることも虫歯予防に効果的です。歯を強くし虫歯菌の働きを弱めることができます。
こどもの虫歯予防には食生活の改善や歯磨きだけでなく、定期的に歯科医院に通うことが必須だといえます。
まとめ
虫歯になりやすいこどもの特徴は、ダラダラ食べをする、磨き残しが多いなどが挙げられます。こどもの虫歯を放置すると、永久歯や顎の発達に影響を及ぼすかもしれません。特に、乳歯や生えかけの永久歯は虫歯になりやすいため注意が必要です。
こどもの虫歯を予防するポイントは、食事の時間を決めること、磨き残しをできるだけ少なくすること、定期的に歯科医院に通うことです。食生活の改善や自宅での正しい歯磨きにくわえ、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることで、虫歯を予防しましょう。
こどもの虫歯治療を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。