根管治療の痛みとは?治療の概要や各段階の痛みの原因・対処法
2024年09月28日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
「歯科医院で根管治療を勧められたけれど、痛みが不安で踏み出せない」という方もいるかもしれません。治療に伴う痛みは、患者様が気になるポイントの一つです。
本記事では、根管治療の痛みに着目し、痛みの原因や対処法について詳しく解説していきます。治療の前後など段階に併せて解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
根管治療とは
根管治療とは、歯の神経の治療のことです。歯科医院で虫歯の診療をした時に「歯の神経を抜いたほうが良い」と言われた場合は、根管治療をするという意味になります。
根管とは、歯根の中にある細い管状の部分のことです。根管には神経や血管を含む歯髄という組織が存在し、歯に栄養を送ったり知覚に関係したりしています。
虫歯によってこの部分で菌が増殖すると、歯を抜かなければならないほど最重度の虫歯へと進行したり、血管から侵入した虫歯菌が全身を巡って全身へ影響を及ぼしたりします。強い痛みによって日常生活に支障をきたす可能性も高いことから、根管治療で歯の神経を抜くのです。
根管治療前の痛みの原因と対処法
根管治療を受ける前の痛みは、主に虫歯菌が神経に達したことによって引き起こされています。特に、虫歯が進行している場合、表からは見えないものの、歯の中では膿が溜まっているため、膿が神経に触れると強い痛みを引き起こします。
根管治療前の痛みには、急性痛と慢性痛の2種類があります。
急性痛の原因と対処法
急性痛は、歯髄に炎症が起こったり、膿によって歯茎の中の内圧が高まったりしたことで起こります。突然刺すような激しい痛みが起こり、痛みは数時間程度続きます。
人によっては口が開けられない、物を食べられないなどの症状が現れ、日常生活を送れないほど強い痛みが続きます。発熱したり、歯だけでなく歯の周囲(顎や頬、目の下など)が腫れたりするケースもあります。
急性痛の対処法は、痛み止めの服用や、患部の冷却などが挙げられます。
しかし、ほとんどの場合は痛み止めを飲んでも思うような効果は得られません。そのため、なるべく早く歯科医院を受診して、根管治療をしてもらいましょう。
治療の予約前にこの状態となった場合には、応急処置として膿を取ってもらったり、虫歯の治療をしてもらったりする方法も有効です。
慢性痛の原因と対処法
慢性痛とは、急性痛がある程度落ち着いたときに残っている痛みのことで、鈍痛や違和感と表現されます。食べ物を食べた時にだけ痛むなど、急性痛ほど激しい痛みは生じません。
急性痛よりも痛みが鈍いので放置される方が多い傾向にあるのですが、慢性痛を放置するとすぐに急性痛へと発展します。また、風邪を引いていて免疫力が低下している時や、運動後に突然痛くなるというケースもあるようです。
慢性痛の場合、急性痛よりも痛みの程度は軽いですが、痛みが我慢できなければ痛み止めを服用しましょう。冷やすのみでは改善しないことが多いです。
歯科医院を受診して膿を出してもらったり、虫歯の治療をしてもらったりと応急処置をしてもらうのも効果的です。物を噛むなど刺激が加わることで痛みが出る為、安静にするのも効果的です。
硬い物を食べない、歯を食いしばらないなど、歯や歯茎に負担をかけないことを心がけましょう。
根管治療中の痛みの原因と対処法
一般的に、根管治療中は麻酔を使用して行います。麻酔のために注射を刺す時に痛みを感じますが、その後は痛みの感じ方には個人差があります。
根管治療中に出現する痛みの原因と対処法について解説します。
麻酔が効きにくい
基本的には麻酔を使って治療を進めますが、麻酔が必ずしも十分に効くわけではありません。特に歯根の炎症が強い場合、急性期の場合には麻酔が効きにくくなります。また、下顎の骨は丈夫であることから、上の歯よりも麻酔が効きにくい傾向にあります。
麻酔が効かなければ、後述する処置をした時に痛みが出てしまうのです。麻酔が効いていないと感じたら、歯科医師に治療中でも必ず相談しましょう。麻酔を追加で注入したり、別の対処法を提案してくれたりします。
もしも、過去に虫歯治療などで麻酔の効きが悪った、麻酔が効かなかった、最初の根管治療の時に麻酔が効いていなかったという方は、必ず治療前に歯科医師へ相談しましょう。
歯根の炎症が強い
膿が溜まり歯根の炎症が強く出ていると、治療中に歯根を触った際に痛みが出やすくなります。麻酔でも治まらないケースが多いですが、膿が全て排膿されると徐々に楽になることもあります。
特に、治療器具が歯根に触れた時に激しい痛みを感じるでしょう。また、歯根の炎症が強い方は麻酔が効きにくいため、麻酔をしていても強い痛みを感じる傾向にあります。
複数回根管治療を受ける方は、痛み止めや抗生剤を処方してもらいましょう。内服をしていくことで、痛みや炎症が徐々に和らいでいきます。
根管に薬を充填する時
根管治療では、膿を取り除いて根管を洗浄・消毒した後に、薬剤を詰めて時間をかけて消毒をします。消毒のための薬剤を詰めるときに、根管内に圧がかかるため痛みが生じやすくなります。また、消毒剤が強いとしみるような痛みを感じることもあります。
徐々に痛みは和らぐものの、気になる方は痛み止めを服用しながら様子を見ていくと良いでしょう。
根管治療後の痛みの原因と対処法
根管治療後の痛みの原因はいくつかあります。ここからは、根管治療後の痛みについて解説します。
なお、根管治療後の痛みは、3日~1週間程度で緩和されるケースがほとんどです。この期間を超えても痛みが続く場合には、ご紹介する以外の原因が隠れているかもしれません。なおかつ今後の治療過程に影響を及ぼす可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
特に、ずきずきとした痛みがあり日常生活に支障が出ている場合には、歯科医院をなるべく早く受診してください。
神経や膿を取り残している
根管治療をしたのに痛みが続く、あるいは根管治療前と痛みがあまり変わらないという場合には、神経や膿を取り残している可能性が高いです。神経を取り残していれば痛みが伝わるので治療前と同様に痛みが続き、膿が残っていれば炎症が続くため痛みが生じます。
根管は構造が複雑ということもあり、一度の処置で神経や膿が全て取りきれないこともあります。神経や膿を取り残したことによって生じている痛みには、痛み止めの内服や患部の冷却が効果的です。
また、多くの場合は治療後に抗生剤が処方されているため、医師の指示通りに服用しましょう。抗生剤の服用を続けていれば、徐々に炎症が落ち着いて痛みも消失していきます。
詰めた薬による圧力
前述したように、根管治療をした後は細菌感染を起こさないように薬を詰めます。隙間があると細菌が侵入したり繁殖したりする原因になるため、しっかりと圧力をかけて薬を詰めなければなりません。
この時、内圧がかかって痛みが生じることがあります。薬の圧力によって痛みが出ている場合には、通常数日で痛みは治まっていきます。
歯根膜に炎症が起きている
歯根膜とは、歯根の周りを覆っている膜のことです。根管治療では歯根の中を治療するので、歯根膜は無関係と思うかもしれません。
しかし、歯の先から膿が漏れ出して歯根膜に炎症が起こっていると、食べ物を噛んだときに強い痛みが生じます。歯根膜の痛みについても、痛み止めを服用することで落ち着きます。また、噛み合わせを調整することで楽になるケースがあります。
歯根膜の痛みは噛まなければ発生しないので、治療中の歯で食べ物を噛まないようにしたり、歯ぎしりや食いしばりをしないようにしたり、安静に保ってください。
まとめ
根管治療の際には、治療前、治療中、治療後どの段階においてもさまざまな理由で痛みが生じます。多くの場合は痛み止めを服用することで楽になりますが、痛み止めを飲んでも痛みが取れない場合や痛みが増強している場合には、なるべく早く歯科医院へ相談しましょう。
根管治療中、治療後の痛みは一時的な場合が多いため、歯科医師と相談して痛みを取り除きながら様子を見ましょう。問題があって痛みが発生している場合は、適切な治療を行います。
根管治を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。