MFT(口腔筋機能療法)トレーニングのやり方を徹底解説!注意点とは
2024年11月09日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
舌が正しい位置に置かれていなかったり、口呼吸が習慣化していたりすると歯並びに影響を及ぼす可能性があります。このような口周りの癖を改善するトレーニングが、MFT(口腔筋機能療法)です。
MFTトレーニングのやり方が気になる方も多いでしょう。効果を得るためには、正しいMFTトレーニングのやり方を把握する必要があります。
この記事では、MFTトレーニングの目的や得られる効果、詳しいやり方などについて解説します。MFTトレーニングをするときの注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
MFT(口腔筋機能療法)の目的
MFT(口腔筋機能療法)とは、舌や口周りの筋肉にアプローチし、歯並びや舌の癖を治すトレーニング方法です。MFTトレーニングの目的は主に、以下の4つです。
- 正しい咀嚼・嚥下の習得
- 発音の向上
- 口唇や舌の位置の正常化
- 舌癖や口呼吸の改善
舌の位置が正しくない場合や口呼吸が習慣化している場合、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。
MFTトレーニングを行うことで正しく筋肉が機能するようになるため、受け口や出っ歯の原因となる舌癖を改善できる場合があります。特に、成長段階の子どもの場合は舌癖を治すことで歯並びが改善されるケースもあるため、MFTトレーニングは非常に効果的です。
MFT(口腔筋機能療法)トレーニングの効果とは
MFTトレーニングにはさまざまな効果があります。ここでは、MFTトレーニングの効果について詳しく解説します。
噛み合わせや歯並びを改善できる
MFTトレーニングを行うことで、噛み合わせや歯並びの改善が期待できます。歯並びは口周りの筋肉と深い関係にあります。口周りの筋肉が正常に発達していないと、常に口が開いている状態になるため、出っ歯になるリスクが高まります。
MFTトレーニングを行うことで口周りの筋肉のバランスが整うため、歯並びや噛み合わせの改善が期待でき、出っ歯になるリスクも軽減できるでしょう。
正しいスポットポジションを習得できる
MFTトレーニングでは、正しい舌の位置を覚えることも可能です。舌の筋力が弱いことによって舌の位置が下がると、歯並びや噛み合わせが悪くなったり、口呼吸になったりします。
しかし、MFTトレーニングで舌を正しい位置に置けるようになれば、呼吸や咀嚼する際の舌の役割が正常になり、噛み合わせが良くなる効果が期待できます。
発音を改善できる
口周りの筋肉が発達していないと、発音しにくくなるケースがあります。MFTトレーニングでは正しい舌の動かし方を習得できるため、正しく発音できるようになるでしょう。特に、さ行やた行の発音が改善されることが多いです。
口呼吸を改善できる
MFTトレーニングを行うことで鼻呼吸から口呼吸に改善できる効果も期待できます。舌の位置が低いと口呼吸になりやすいです。口呼吸が習慣化すると、口腔内が乾燥して虫歯や歯周病になるリスクが高まります。また、口臭が発生するリスクも高まるでしょう。
MFTトレーニングで鼻呼吸を習得することにより口腔内の乾燥を軽減できるため、口臭の改善や口腔内の健康を守る効果が期待できます。
矯正治療の効果が高まる
MFTトレーニングは、矯正治療と並行して行うケースもあります。舌癖が治っていない場合、矯正治療を行っても後戻りを起こしたり、計画どおりに治療が進まなかったりする可能性があるためです。
MFTトレーニングを行うことで舌癖が改善されれば、矯正治療がスムーズに進む可能性が高まります。
MFT(口腔筋機能療法)トレーニングのやり方
MFTトレーニングにはさまざまなやり方がありますが、ここでは5つの方法をご紹介します。お子様がトレーニングしやすい方法を見つけ、継続できるようにしましょう。
スポットポジション
スポットポジションは、舌を正しい位置に戻すトレーニングです。まず、スポット(上の前歯の裏にある膨らんだ部分から少し後ろの部分)をスティックで触って5秒数えます。その後、同じ部分を舌の先で触れ、再び5秒数えましょう。
はじめにスティックでスポットに触れることで、舌の正しい位置を認識できます。
ティップ
ティップは、舌先の力をつけるためのトレーニング方法です。はじめに口の前でスティックを持ち、舌を尖らせた状態でスティックを3秒押します。その後、スティックから舌を離し、口唇を閉じて休みます。これを、5回〜10回ほど繰り返しましょう。
スラープ・スワロー
スラープ・スワローは、飲み込む動作の嚥下(えんげ)のトレーニングです。
まずは、舌の先をスポットにつけ、舌全体を吸い上げるように上顎にはりつけます。そして、上顎の犬歯のうしろにストローを置き、舌の裏に当てた状態で軽く歯を噛んでください。その後、口の横からスプレーで水を注入し、奥に水を集めた状態で飲み込みます。
この動作を、左右5回ずつ繰り返します。正しい嚥下は口唇を軽く閉じている状態ですが、スラープ・スワローでは口を開けた状態で飲み込みます。これによって、正しい嚥下の動作が身につくでしょう。
ポッピング
ポッピングは、舌全体を持ち上げるトレーニング方法です。舌の動きを強化すると同時に口腔内の筋肉を鍛えられるため、正しい発音や咀嚼の方法を身につけられます。
まずは、スポットに舌先をつけ、舌全体を上顎に吸いつけます。この状態をキープしつつ、口を大きく開けて「ポン」と音を鳴らすように、勢いよく上顎から舌を離しましょう。この動作を、20回程度繰り返します。
あいうべ体操
あいうべ体操は、舌や唇、口周りの筋肉を引き締め、正しい位置に舌を導くトレーニングです。名前の通り「あ・い・う・べ」の言葉を1秒ずつ声に出してトレーニングを行います。それぞれのポイントは、以下のとおりです。
- あ:口角を上げ、口を大きく開ける
- い:軽く歯を噛み締めた状態で声を出す
- う:唇を前に突き出す
- べ:舌を大きく下に伸ばす
この動作を10回1セットとし、1日に3セット行いましょう。
MFT(口腔筋機能療法)トレーニングをするときの注意点
MFTトレーニングを行うときには、注意しなければならないことがあります。気をつけるべき点を把握し、効果的にトレーニングを行いましょう。
歯科医師の指導のもとでトレーニングを行う
MFTトレーニングは、歯科医師の指導のもとで行うことが大切です。自己流でトレーニングを行うと、効果が得られない可能性があります。
継続してトレーニングを行う
継続してトレーニングを行うことも、非常に重要です。MFTトレーニングを継続して行うことで効果が得られやすくなります。
毎日の習慣に取り入れ、継続できる仕組みを作るとよいでしょう。例えば、歯磨きのあとや寝る前にMFTトレーニングを組み込むことで自然と習慣化でき、お子様でも継続できるようになります。
また、お子様が嫌がって継続が難しい場合は、ご褒美シールなどを活用し、楽しんでトレーニングができるように工夫することが大切です。
トレーニングの意味を理解して行う
単にMFTトレーニングを繰り返すだけでは、モチベーションの維持や継続が難しくなるでしょう。そのため、MFTトレーニングを行う際は、必要性を理解してから行うことが重要です。
どうしてMFTトレーニングを行っているのか、どのような効果が期待できるのかなどをきちんと理解し、納得したうえでトレーニングを行なってください。特に、お子様がトレーニングを行う場合、本人の協力がないと継続が難しくなるため、重要性をしっかり理解してもらいましょう。
まとめ
今回は、MFTトレーニングの目的や効果、詳しいやり方、注意点などについて解説しました。
MFTトレーニングは、歯並びや噛み合わせの改善だけでなく発音や呼吸にも良い影響を与えるなど、さまざまな効果が期待できます。MFTトレーニングにはさまざまな方法があり、それぞれやり方が異なります。
トレーニングの効果を得るためには、正しいやり方で行うことと歯科医師の指導のもとで継続的に行うことが大切です。
また、お子様がMFTトレーニングを行う場合は、本人のモチベーション維持が非常に重要になります。お子様と保護者の方がストレスなく、楽しんで取り組めるように工夫しましょう。
MFT(口腔筋機能療法)トレーニングを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。