マウスピース矯正のリテーナーについて!種類や装着時間と期間を徹底解説
2024年10月12日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
マウスピース矯正で歯並びが整った後も、すぐに治療が終わるわけではありません。
矯正治療直後の歯は安定しておらず、何もしないと元の位置に戻ろうとします。そのため、矯正治療で歯並びを整えた後は保定装置(リテーナー)を装着し、歯並びを安定させる必要があるのです。
この記事では、マウスピース矯正のリテーナーの重要性や種類、装着時間について解説します。リテーナーのお手入れの方法や装着時の注意点などにも言及しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マウスピース矯正のリテーナーとは
マウスピース矯正で使用するリテーナーとは、歯並びを安定させるために装着する装置のことです。
矯正治療では、マウスピースを装着することで歯に力を加えて移動させます。歯に力が加わると、力が加わった側の骨は吸収され、逆側の骨は再生します。このように、骨の吸収と再生を繰り返すことで歯が移動し、歯並びを整えられるのです。
矯正治療直後の骨はまだ固まっていないため、何もしなければ歯が矯正前の状態に戻ろうとします。歯が元の位置に戻ることを後戻りと言います。
「歯並びが整ったから」とリテーナーを装着しなければ歯が後戻りを起こして、場合によっては再治療が必要になるかもしれません。そのため、マウスピース矯正後はリテーナーを装着し、歯並びを固定する期間を設ける必要があるのです。
マウスピース矯正のリテーナーの種類
マウスピース矯正後に装着するリテーナーには種類があり、それぞれ特徴が異なります。マウスピース矯正後に使用する主なリテーナーは、以下の3種類です。
マウスピース型リテーナー
マウスピース型のリテーナーは透明な樹脂製の素材でできており、目立ちにくいのが特徴です。取り外しができるため、食事や歯磨きなどを通常通り行えます。
毎食後にマウスピースのお手入れは必要ですが、矯正治療で使用するマウスピースとお手入れの方法は同じなので取り扱いやすいでしょう。
ただし、装着時間が短くなると歯が後戻りを起こす可能性があるため、歯科医師の指示に従って決められた時間しっかり装着することが求められます。また、マウスピースが破損する可能性があるため、歯ぎしりや食いしばりがある方は注意が必要です。
プレート型リテーナー
プレート型リテーナーとは、歯の裏側部分にプレートがあり、表側にワイヤーを通して装着するリテーナーのことです。プラスチックとワイヤーを併用したリテーナーのため、他のリテーナーよりも耐久性が高いとされています。
取り外し可能で歯磨きもしやすく口腔内を清潔に保ちやすいため、虫歯や歯周病のリスクが低いでしょう。
歯の表側にワイヤーをかけて固定するため目立ちやすいですが、歯をしっかり固定でき安定した保定効果があります。硬い素材のため装着時に違和感や痛みが出ることがあり、慣れるまで時間がかかる可能性がある点は、デメリットかもしれません。
ワイヤー型リテーナー
ワイヤー型リテーナーは、フィックスリテーナーとも呼ばれる固定式のリテーナーです。他のリテーナーと違って固定式のため、装着時間を管理する必要がありません。他にも、歯の裏側に細いワイヤーを接着するため目立ちにくく、違和感や痛みを覚えにくいのがメリットです。
ただし、ワイヤー型リテーナーは前歯に接着するため、奥歯の保定には向いていません。また、歯と歯の間やワイヤーの周りは歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
継続して使用するとワイヤーが緩んだり外れたりする場合もあるので、定期的に歯科医院を受診して確認してもらうことが重要です。
マウスピース矯正のリテーナーの装着時間と期間
ここでは、マウスピース矯正のリテーナーの装着時間や期間について解説します。
装着時間
マウスピース矯正直後は後戻りを起こしやすい時期のため、1日20~22時間以上装着する必要があります。食事や歯磨き以外の時間は常にリテーナーを装着することで、歯並びを安定させるのです。
装着時間は、徐々に減らすことが可能です。一般的には2年目以降から、夜間のみの装着に切り替えられます。患者さまによって異なるので、歯科医師の指示に従って適切に装着してください。
長い矯正期間を経て歯並びを整えても、リテーナーの装着を怠ると簡単に後戻りを起こします。特に、取り外しができるリテーナーの場合、装着を忘れるなどのリスクがあるため注意が必要です。
「リテーナーを装着した際にきつい」「リテーナーが入りにくい」などの症状が出た場合、後戻りを起こしているサインといえます。リテーナーの装着時間が不十分で後戻りを起こすと再治療が必要になる可能性もあるため、装着時間は必ず守りましょう。
期間
リテーナーを装着する期間は、一般的に歯並びを整えるのにかかった期間と同程度必要といわれています。
ただし、リテーナーを装着する期間はお口の状態によって異なります。場合によっては矯正期間より長い期間、リテーナーを装着しなければならないこともあるでしょう。
歯が完全に定着するまでは時間がかかりますが、早く装着をやめると後戻りのリスクが高まります。そのため、自己判断で辞めずに歯科医師の指示に従ってリテーナーを装着することが大切です。
マウスピース矯正のリテーナーのお手入れ方法と注意点
マウスピース矯正を成功させるためには、矯正期間だけでなく保定期間の過ごし方も大切です。ここでは、マウスピース矯正のリテーナーの手入れ方法と注意点について解説します。
リテーナーのお手入れ方法
マウスピース矯正で使用するリテーナーが取り外し式の場合、基本的には食事や歯磨き以外の時間は装着します。お口の中が不衛生になると、虫歯や歯周病、口臭の原因になるため、こまめなお手入れが欠かせません。
マウスピース型リテーナーやプレート型リテーナーは、食事や歯磨きの際にリテーナーを外して流水で汚れを落とします。歯磨きで使用する歯ブラシを使用すると、汚れや菌がリテーナーに付着する可能性があるためリテーナー専用のブラシを用意しましょう。
基本的には水洗いのみでかまいませんが、臭いや汚れが気になる場合は専用の洗浄剤を使用すると効果的です。
ただし、プレート型リテーナーはプラスチックと金属を併用しているため、洗浄剤の種類によってはワイヤー部分が錆びることがあります、そのため、必ず洗浄剤の注意書きを読み、プレート型リテーナーに使用できるものか確認しましょう。
また、歯の汚れがついたままリテーナーを装着すると、虫歯や歯周病になる可能性が高まります。毎食後に歯を磨き、お口の中も清潔に保つことが大切です。
ワイヤー型リテーナーは固定式のため、特別なお手入れは必要ありません。ワイヤーの周りや歯と歯の間は磨き残しが生じやすいので、ワイヤーの周りは重点的に磨くようにしてください。
歯ブラシが届きにくい部分は、歯間ブラシやタフトブラシなどを使用すると良いでしょう。
リテーナーの装着時の注意点
リテーナーの装着時の注意点は、以下のとおりです。
リテーナーの装着時間・期間を守る
リテーナーの役割は、矯正治療で整えた歯並びを安定させることです。そのため、リテーナーの装着時間が不十分だと、後戻りを起こして歯並びが悪化することがあります。
特に、取り外しできるリテーナーは患者さま自身で装着時間を管理しなければいけません。歯並びが安定すれば装着時間が短くなることはありますが、その判断は歯科医師が行います。
自己判断でリテーナーの装着をやめたり、時間を短くしたりしないでください。
取扱いに注意する
リテーナーが汚れたままになると、虫歯や歯周病、口臭の原因になる場合があります。特に、取り外しのできるリテーナーの場合は、必ず洗浄して清潔に保ってください。
また、リテーナーに強い力が加わると、破損・変形の可能性があります。紛失防止のためにも、リテーナーを取り外した際はケースに入れて保管することが大切です。
定期検診を受ける
矯正治療中と同じく、リテーナーを装着している間も定期的な受診が必要です。後戻りが起きていないか、噛み合わせに問題が起きていないかなどをチェックしてもらえます。
また、虫歯や歯周病の有無も確認してもらえるので、歯科医師に指示された頻度で通院するようにしましょう。
まとめ
マウスピース矯正で歯並びを整えた後は歯が安定していないため、何もしなければ後戻りを起こす可能性があります。「歯並びが整ったから」と自己判断でリテーナーの装着をやめると、最悪の場合、再治療が必要になるかもしれません。
そのため、歯科医師に指示された期間は、必ずリテーナーを装着するようにしましょう。リテーナーには種類がありそれぞれにメリット・デメリットがあるので、歯科医師とよく相談してご自身に合ったものを選択してください。
マウスピース矯正後のリテーナーについて詳しく知りたい方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。