マウスピース矯正で出っ歯は治療できる?費用と期間やできないケースとは
2025年01月11日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
「出っ歯もマウスピース矯正で治療できるのか?」と気になる方も多いでしょう。マウスピース矯正は多くの出っ歯の症例に対応できますが、歯並びや顎骨の状態によっては治療できないこともあります。
この記事では、マウスピース矯正で出っ歯を治療できるのかを解説し、治療にかかる費用や期間の目安、治療が難しいケースなどをご紹介します。
目次
マウスピース矯正で出っ歯は治療できる?
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用して歯並びを整える方法で、審美性や取り外し可能な利便性が特徴です。多くのケースで、出っ歯(上顎前突)の治療にも対応できます。
ただし、歯並びの状態や骨格の構造によっては治療が難しい場合もあるため、治療の可否は専門医の診断を受けることが重要です。
マウスピース矯正で出っ歯の治療ができないケース
マウスピース矯正は多くの出っ歯(上顎前突)の治療が可能ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。歯並びや顎の骨格、その他の要因によっては、マウスピース矯正が不向きな場合があります。
以下に、出っ歯治療においてマウスピース矯正が適していない主なケースを解説します。
骨格性の出っ歯
マウスピース矯正は、主に歯並びが原因で起こる歯性の出っ歯の治療が可能です。
しかし、出っ歯の原因は歯の位置や傾きの問題だけではありません。上顎の骨が過剰に発達している、もしくは下顎が十分に発達しないことが原因の骨格性の出っ歯もあります。
この場合、歯の移動だけでは十分な改善が難しいことがあります。このようなケースでは、外科手術を伴う矯正治療(外科矯正)が必要になることが一般的です。
抜歯が必要なケース
抜歯が必要な場合、マウスピース矯正で対応できるかどうかは症例によります。特に、複数本の歯を抜かなければならない場合、ワイヤー矯正を選択すべきと伝えられる可能性があります。
抜歯が必要な全ての症例に対応できないわけではないので、歯科医師と相談してみましょう。
重度の歯並びの乱れ
歯並びの乱れが重度な場合、歯を大きく移動させなければなりません。特に、前歯の傾きが極端で出っ歯になっている場合などは、矯正力を細かく調整できるワイヤー矯正が推奨されます。
治療への協力が難しい
マウスピース矯正の成功には、患者さま自身が1日20~22時間以上マウスピースを装着することが求められます。装着時間が守られない場合、計画通りに歯が動かず治療が進まないことがあります。
そのため、出っ歯の治療に限らず、自己管理が難しい患者さまにはマウスピース矯正は適していません。
マウスピース矯正で出っ歯を治療するメリット・デメリット
以下に、マウスピース矯正を用いた出っ歯治療のメリットとデメリットを詳しく解説します。
メリット
マウスピース矯正で出っ歯を治療するメリットは、以下のとおりです。
目立たない装置で快適な治療が可能
マウスピース矯正の最大の特徴は、装置が目立たないことです。矯正中でも、職場や学校など人前に出る場面で自然な印象を保てます。
また、装置が薄く、ワイヤーやブラケットのような痛みや不快感が少ないため、治療期間中のストレスが軽減されます。
取り外し可能
取り外しが可能なため、食事や歯磨きを普段どおりに行えます。食事の制限がほとんどなく、好きなものを食べられるのが魅力です。また、歯磨きがしやすいため、口腔内の衛生状態を保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。
治療計画が視覚的にわかりやすい
治療開始前にデジタルシミュレーションを使用して、治療の進行や最終的な歯並びを視覚的に確認できます。治療のゴールが明確になるので、モチベーションを維持しやすくなります。
デメリット
マウスピース矯正で出っ歯を治療するデメリットは、以下のとおりです。
対応できないケースがある
上述したように、マウスピース矯正は全ての症例を治療できるわけではありません。重度の歯列不正では、ワイヤー矯正が選ばれることが多いです。
自己管理が必要
マウスピース矯正の成功には、1日20~22時間以上の装着が必須です。装着時間が不足すると治療が計画通りに進まず、治療期間が延びることがあります。特に、自己管理が苦手な方には適していないでしょう。
長期化することがある
軽度の症例では短期間で治療が終わることもありますが、出っ歯の程度や歯列の状況によっては治療が長期化する可能性があります。予定通りに治療が進まなかった場合、追加の調整やマウスピースの製作が必要になるでしょう。
マウスピース矯正で出っ歯を治療する場合にかかる期間
マウスピース矯正で出っ歯を治療する際の期間は、出っ歯の程度や歯列の状態、さらに患者さま自身がどれだけ指示を守るかによって異なります。以下に、症例別の治療期間の目安と影響する要因を解説します。
軽度の出っ歯の場合
軽度の出っ歯を治療する場合、治療期間は6か月から1年程度で完了することが多いです。主に前歯を後方に引っ込める調整が中心となるため、歯の移動距離が少なく治療がスムーズに進行します。
中等度の出っ歯の場合
歯列全体の調整が必要な中等度の出っ歯では、治療期間は1年半から2年程度かかることが一般的です。歯列の幅を広げるためのスペースを確保したり、歯の傾きや位置を修正したりして歯並びを改善します。
また、治療の途中で歯の動きに応じて追加のマウスピースを製作することもあるでしょう。この場合、その分期間が延びます。
重度の出っ歯や骨格的な問題がある場合
重度の出っ歯や骨格性の問題を伴う症例では、マウスピース矯正だけでは対応が難しい場合があります。このようなケースでは、ワイヤー矯正や外科的手術、抜歯によるスペースの確保が必要になるでしょう。
これらを組み合わせる場合、治療期間は2年以上になることが多いです。特に骨格的な要因が強い場合は、外科手術の準備期間や術後の矯正期間が加わるため、治療全体が長期化する傾向があります。
マウスピース矯正で出っ歯を治療する費用
マウスピース矯正で出っ歯を治療する際の費用は、使用する装置の種類や治療の難易度、通う歯科医院によって異なります。通常、自費診療となるため、初期費用に加えて治療の進行状況によって追加費用がかかる場合もあります。
一般的な治療費の目安
マウスピース矯正の費用は、症例の難易度によって異なります。軽度の出っ歯であれば 30万円〜50万円程度ですが、中等度以上の出っ歯の場合は約60万円〜100万円程度かかります。
この費用には、以下のものが含まれることが一般的です。
- 初診料および精密検査費用
- 治療計画の立案
- マウスピース製作費用
- 定期診察料(調整や経過観察)
ただし、追加のマウスピースが必要になるケースや治療が長期化する場合は、別途費用がかかることがあります。
部分矯正と全体矯正の違い
治療範囲によっても費用が異なります。
部分矯正
前歯のみを矯正する場合、費用を抑えることが可能です。 20万円〜40万円程度が相場で、軽度の出っ歯や目立つ部分だけを治療するケースが該当します。
全体矯正
奥歯を含む全体的な歯列矯正が必要な場合、費用が高額になります。 60万円〜100万円以上が相場で、中等度以上の出っ歯や顎の問題を伴う場合に該当します。
まとめ
マウスピース矯正は、出っ歯(上顎前突)の治療においても効果的な矯正方法であり、軽度から中等度の症例に対応可能です。透明で目立たない装置は、矯正中の見た目の不安を軽減し、取り外しが可能なため食事や歯磨きの際にも便利です。
ただし、骨格性の出っ歯や重度の歯並びの乱れ、抜歯が必要な症例では適用が難しいことがあります。また、患者さま自身の協力が必要で、装着時間が守られない場合には治療が計画通りに進まないリスクもあります。
治療期間は軽度で6か月から1年、中等度以上では1年半から2年が目安です。費用は軽度で30万円~50万円、中等度以上で60万円~100万円程度とされていますが、部分矯正の場合は費用を抑えられる傾向があります。
マウスピース矯正による出っ歯の治療を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。