乳歯の虫歯が永久歯に与える影響とその予防法を解説!
2023年10月28日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
「こどもの歯が虫歯になっても、大人の歯に生え変わるから放置しても大丈夫」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、乳歯の虫歯を放置すると永久歯に影響を及ぼします。いつか生え変わるから問題ないと考えず、虫歯になった場合は治療することが重要です。
今回は、乳歯の虫歯が永久歯に与える影響について解説します。乳歯の虫歯の治療法や予防法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
乳歯の虫歯は永久歯にも影響を与える?
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響を及ぼします。乳歯の虫歯をそのままにしておくと、永久歯にどのような影響があるのでしょうか。
乳歯の虫歯が永久歯に与える影響は、以下のとおりです。
永久歯の歯並びが悪くなる
乳歯の虫歯が進行すると、本来抜けるタイミングではないのに早期に抜ける場合や、なかなか抜けずに乳歯が長く残ることがあります。早期に抜けると、乳歯が抜けたことで生まれたスペースに隣の歯が移動し、永久歯が生えるスペースを狭めます。そのため、永久歯が生えるスペースが足りなくなり、歯並びが悪くなるでしょう。
乳歯がなかなか抜けない場合も、乳歯が邪魔して永久歯が真っ直ぐ生えられません。斜めに生えるなど、歯並びが悪くなることが多いです。
噛み合わせが悪くなる
上述しましたが、乳歯の虫歯が進行すると早期に脱落することがあります。乳歯が抜けて生まれたスペースに歯が移動し、歯並びが乱れるのです。
歯が移動して乱れるのは、歯並びだけではありません。噛み合わせも同様に乱れます。
永久歯の歯並びが乱れると噛み合わせも悪くなり、食べ物を適切に咀嚼できないなどの問題を引き起こす可能性があるでしょう。
永久歯の変色や形成不全を引き起こす
乳歯の虫歯が進行して神経が壊死した場合、虫歯の治療をせずに放置すると歯の根の先に膿が溜まります。乳歯のすぐ下で発育中の永久歯に影響を及ぼし、永久歯が茶色や黒色に変色するなどのトラブルを引き起こします。本来の永久歯とは異なる形状に形成されるトラブルが起きる場合もあるでしょう。
永久歯の虫歯のリスクを高める
乳歯が虫歯になるということは、お口の中に虫歯菌が存在しているということです。虫歯を放置するとさらに虫歯菌が増え、将来生える永久歯が虫歯になるリスクも高まるでしょう。
虫歯菌が増殖する前に、治療することが重要です。
乳歯が虫歯になったらしっかり治療しよう!
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響を及ぼします。乳歯が虫歯になったら、早めに歯科医院で治療してもらいましょう。乳歯は永久歯と比べて虫歯の進行が早いため、早期発見・治療が非常に大切です。
初期段階の虫歯(CO)では、削るなどの治療はせずフッ素を塗布して経過を観察します。歯の表面のエナメル質に虫歯ができている状態の軽度の虫歯(C1)は、虫歯になっている部分を少し削り、レジンと呼ばれるプラスチックの材料を詰める治療を行うでしょう。
虫歯が象牙質まで到達している場合(C2)は、虫歯になっている部分を削ってレジンを詰める治療、または型を取って後日詰め物を入れる治療をします。虫歯が神経まで到達している場合(C3)は、神経を取る治療をします。
しかし、神経を取らずに一部を残す治療法を選択する場合もあるでしょう。虫歯によって歯のほとんどが崩壊している場合(C4)は、抜歯をします。
C4は、虫歯が長い期間放置されたために、歯のほとんどが崩壊して歯の根だけが残っている状態です。虫歯で乳歯を抜歯したあとは、隣の歯がずれないように、保隙装置を使用する場合があります。
一般的な治療法をご紹介しましたが、お子さまの年齢や精神の発達度合いに応じて治療を選択します。
乳歯の虫歯予防法
乳歯が虫歯にならないためには、虫歯菌の感染を防ぐことが重要です。食後の歯磨きを徹底することや、食生活に注意することも重要でしょう。
定期的に歯科医院で虫歯になっていないかチェックしてもらうことで、虫歯を早期発見・早期治療できます。乳歯の虫歯を予防する方法を詳しく確認しましょう。
虫歯菌の感染を防ぐ
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌は存在しません。虫歯菌は、保育者がこどもと関わるなかで大人からこどもに感染します。
虫歯菌の感染を防ぐためには、保育者の口内を清潔に保つことが重要です。
食後の歯磨きを徹底する
乳歯が生えてきたら、歯磨きを始めましょう。最初から歯ブラシを使う必要はありません。まずは、指にガーゼを巻いてやさしく赤ちゃんの口の中に触れ、歯をきれいに拭ってあげることから始めましょう。
口の中を触られることに少しずつ慣らすとよいでしょう。上下の前歯4本が生え揃ったら、歯ブラシを使った歯磨きを初めてください。
歯磨きは毎食後にするのが理想です。最初は機嫌のよいときに始めて、慣れてきたら徐々に回数を増やしてください。
乳歯がすべて生え揃ったら、自分で歯磨きをする練習をしましょう。仕上げ磨きをして、虫歯ができていないかチェックします。歯と歯の間はフロスを使うなど、お口の中を清潔に保ちましょう。
歯と歯の間や奥歯の噛み合わせの溝は汚れが残りやすいので、仕上げ磨きのときにしっかり磨いてあげましょう。どのように歯磨きをしたらよいか分からないという方は、歯科医師に相談するとブラッシング指導を受けられます。
食生活に注意する
乳歯の虫歯を作らないためには、食事やおやつの時間を決めてダラダラ食べさせないことが大切です。食後はお口の中が酸性に傾き、歯が溶けやすい環境となります。ダラダラ長時間食べる、食事の回数が多いなどすると、虫歯になりやすいです。
よく噛んで食べることで、唾液の分泌が促進されて虫歯予防につながります。食事をするときやおやつを食べるときは、よく噛んで食べられるものを提供しましょう。
また、食べ物だけでなく飲み物にも注意が必要です。ジュースやスポーツドリンクには砂糖が多く含まれているため、虫歯になりやすいです。ジュースやスポーツドリンクを与える場合は、おやつのときなどタイミングを決めてください。ほかの時間はお茶やお水で水分補給するようにしましょう。
定期的に歯科医院を受診する
乳歯が生え始めたら、歯科医院で定期的にお口の中をチェックしてもらいましょう。虫歯ができたとしても、早い段階で発見・治療することができます。
歯科医院でできる虫歯予防としては、フッ素の塗布が挙げられます。フッ素は、歯の質を強化し、虫歯菌の活動を抑制する効果があります。虫歯予防に非常に効果的なので、検討してください。
まとめ
「乳歯が虫歯になっても永久歯に生え変わるから放置しても大丈夫」という考えは、大きな間違いです。乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びが悪くなる、変色・形成不全を引き起こす、虫歯になりやすくなるなど、永久歯に悪影響を及ぼします。噛み合わせが乱れて適切に咀嚼できないことで、消化不良を引き起こすこともあるでしょう。
乳歯が虫歯になったら、早めに歯科医院を受診して治療してください。
乳歯の虫歯を予防するためには、食後の歯磨きを徹底することや食生活を改善すること、虫歯菌の感染を防ぐことが大切です。虫歯菌は、身近な人から感染することが多いです。保育者の口内を清潔に保ちましょう。
また、乳歯は永久歯に比べて虫歯の進行が早いです。乳歯が生えてきたら歯科医院で定期的にお口の中をチェックしてもらいましょう。
小児歯科をご検討の方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。