乳歯が抜けてから永久歯が生えてこない原因と治療法を解説!
2023年10月07日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
乳歯が抜けてから永久歯がなかなか生えてこず、不安を抱えている保護者の方はいませんか。永久歯が萌出する時期には個人差があるため、乳歯が抜けて少し時間が経ってから生えてくるケースも少なくありません。
しかし、何らかの理由で永久歯が生えてこない場合もあります。
今回は、乳歯が抜けてから永久歯が生えてこない原因と、治療法について解説します。永久歯がなかなか生えてこず不安を抱えている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
乳歯が抜けてから永久歯が生えてこない原因
歯の生え変わりは、乳歯が抜けてから3か月前後で永久歯が生えるのが正常とされています。
しかし、乳歯が抜けたにも関わらず、永久歯が生えてこない場合があるのです。乳歯が抜けてから永久歯が生えてこない要因は、生まれつき永久歯が存在しない「先天性欠如」と、永久歯が顎の骨や歯肉に埋まった状態で生えてこない「埋伏歯」の2つに分かれます。
それぞれ解説します。
先天性欠如
永久歯が生まれつき存在しないケースが、先天性欠如です。永久歯がもともとないため、乳歯が抜けても永久歯が生えません。歯の生え変わりが行われないため、乳歯が抜けずにそのまま残るケースもあります。
しかし、乳歯を生涯使い続けることは難しく、虫歯や歯周病などが原因で早期に歯を失う可能性が高いです。先天性欠如は、レントゲン写真で確認できます。
埋伏歯
埋伏歯は、歯の形成と発育は正常ですが、歯が顎の骨や歯肉に埋まって生えてこない状態です。埋伏歯になる原因は、大きく3つあります。
- 歯茎が厚く硬い
- 永久歯が生えるスペースが不足している
- 腫瘍や過剰歯が邪魔をしている
それぞれ確認しましょう。
歯茎が厚く硬い
生まれつき歯茎が厚く硬い場合、永久歯が歯茎を突き破って生えてくることが困難になります。永久歯が生えるのに時間がかかるリスクや、生えてこれないリスクが高くなるでしょう。
永久歯が生えるスペースが不足している
永久歯の大きさは、乳歯の1.5倍ほどです。顎の骨の成長と歯の生えるスピードにずれが生じると、永久歯が生えるスペースが不足して生えてこない場合があります。顎の成長とともに自然に生えてくる場合が多いでしょう。
なお、最近のお子さまは、顎の成長が不十分で歯が生えるスペースが不足していることが多いです。歯が生えてきても、スペースが不足していることで歯並びが乱れるケースが多くみられます。
腫瘍や過剰歯が邪魔をしている
永久歯の発育や形成が完了しているにも関わらず、歯の萌出時期になっても生えてこない場合、腫瘍や過剰歯が邪魔をしている可能性があります。腫瘍や過剰歯は、レントゲン写真を撮ることで確認可能です。
腫瘍や過剰歯が原因の場合、放置すると埋まったままになるケースも少なくありません。
永久歯が生えてこないとどうなる?
永久歯が生えてこない期間が長くなると、周辺の歯に影響を与えます。
歯は隣接する歯と支え合って噛む力を分散させ、歯並びを保っています。永久歯がないまま放置すると、歯がない部分に歯が移動する・傾くリスクが高いです。
上下の噛み合う歯がない場合は、歯が歯のない部分に向かって伸びます。お子さまの場合、顎の成長や歯並びに悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
歯が抜けた部分から空気が漏れて、発音が不明瞭になることもあります。
永久歯が生えてこない場合、どれくらい様子をみたほうがいい?
通常、乳歯が抜けたあと3か月ほどで永久歯が生えてきます。乳歯が抜けたあと、3か月以上経っても永久歯が生えてこない場合は注意してください。
しかし、生え変わりには個人差があるため、半年後や1年後に生えてくるケースもあります。先天性欠如や埋伏歯が原因の場合は、早めに対処したほうがよいでしょう。永久歯が生えてこない原因を知るためにも、3か月を目安に歯科医院を受診して確認してもらってください。
永久歯が生えてこない場合の治療法は?
永久歯が生えてこない場合、どのような治療を行うのでしょうか。永久歯が生えてこない場合の治療法は、以下のとおりです。
- 様子を見る
- 歯茎を切開する
- 矯正治療を行う
- 開窓牽引を行う
- 入れ歯・ブリッジ・インプラントで補う
それぞれ解説します。
様子を見る
先天性欠如で乳歯が残っている場合、様子を見ながら残った乳歯をなるべく長く使えるようにケアすることが多いです。
ただし、乳歯は永久歯と比較して歯の質が弱く根が短いため、生涯使い続けることは難しいでしょう。
埋伏歯で処置が必要ない場合も、様子を見ることが多いです。乳歯が抜けてから1年程度経って生えるケースもあるため、歯科医院を定期的に受診して経過を観察します。
歯茎を切開する
歯茎が厚く硬いと、永久歯が生えるのに時間がかかります。1〜2年ほどで自然に生えるケースが多いですが、なかには自力で萌出できない場合があるでしょう。
永久歯が自力で萌出できないケースでは、永久歯が生える部分の歯茎を切開します。切開すれば永久歯が萌出しやすい環境が整うため、自然に生えられるでしょう。
矯正治療を行う
永久歯が生えるスペースが不足している場合は、矯正治療を検討します。生え変わりの時期に行う矯正治療は、顎の骨の成長を促すことが目的です。
近年、顎の成長が不十分で歯が並ぶスペースが不足しているお子さまが増加しています。矯正治療で顎の骨の成長を促すことで、永久歯が生える十分なスペースを確保できるでしょう。
先天性欠如で永久歯がない場合、矯正治療で歯のない部分を埋めるケースもあります。歯のない部分を埋めながら歯並び・噛み合わせを整えて、審美性と機能性が保たれるように治療を進めるのです。
開窓牽引を行う
歯が埋もれた状態で生えてこない際、開窓牽引を行う場合があります。開窓牽引は、埋伏歯に矯正力をかけ牽引して歯を引っ張り出す治療法です。歯茎を切る、骨を削るなどの外科的処置が必要になります。
開窓牽引の方法は、歯茎を切開して骨を削り、埋伏歯が見える状態にしてから、埋伏歯と隣接する歯に矯正装置を装着し、ゴムの力で牽引して埋伏歯を引っ張り出します。治療期間は、半年〜1年ほどかかるケースが多いでしょう。
入れ歯・ブリッジ・インプラントで補う
先天性欠如で永久歯がない場合、歯がないまま放置すると歯並びや噛み合わせなどに悪影響を与えます。そのため、空いたスペースを補う治療を行う必要があるでしょう。歯がない部分を補う治療法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントが挙げられます。
ただし、インプラント治療は顎の成長が止まっていなければ行えません。それぞれの治療法にメリット・デメリットがあります。
歯科医師と相談し、お子さまに適した治療法を考える必要があるでしょう。
まとめ
永久歯は、乳歯が抜けてから3か月ほどで生えてくるケースが多いです。3か月以上経っても永久歯が生えてくる様子がなければ、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。
永久歯が生えてこない原因は、大きく生まれつき永久歯が存在しない「先天性欠如」と、永久歯は形成されているのに生えてこない「埋伏歯」に分けられます。経過観察で時間の経過とともに自然に生えてくる場合もあります。
しかし、永久歯が生えてこない原因によっては、適切な治療を受ける必要があるでしょう。長期間放置せずに、早めに歯科医院を受診しましょう。
お子さまの生え変わりにお悩みの方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。