床矯正の装置とは|目的と巻き方、入れ方・外し方、お手入れ方法を解説
2024年12月07日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
歯科医院で床矯正をすすめられたけれど、装置の入れ方や出し方がわからない、ネジの巻き方が難しそうといった不安から始めるか悩んではいませんか。
床矯正は、子どもの歯並びやあごの成長を整えるための矯正法のひとつです。適切に使用すれば、歯並びやあごの成長をサポートできます。
本記事では、床矯正の目的や正しい使用方法、さらにお手入れのコツについて詳しく解説します。床矯正を始める方や検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
床矯正の目的
床矯正とは、成長期の子どもの歯並びやあごの成長を正常な状態に導くための治療法です。将来的な歯列不正を予防し、健康な噛み合わせを促すことを目的としています。
床矯正は、あごの骨を広げて顎を広げます。上顎や下顎の幅が狭く、歯が正しく並ぶスペースが不足している症例に効果的です。適切にスペースを作ることができれば、出っ歯や叢生といった歯列不正を防ぐ効果が期待できるでしょう。
また、床矯正で早期治療をおこなうことで、将来的に抜歯を伴う大がかりな矯正を回避できる点も、床矯正の目的として挙げられます。あごの成長が止まる前に治療を始めることで、自然な歯列形成を促進し、永久歯が生えそろった後の矯正治療の簡易化が期待できます。
さらに、床矯正には機能改善の効果もあります。正しい噛み合わせに整い、正しい発音を習得できるため、食事や言葉の発達に良い影響を与えることができます。口腔機能が向上することは、成長期の子どもにとって健やかな発達をするために必要不可欠です。
ただし、床矯正は細かな歯並びの調整や大きな歯の移動には対応していません。そのため、治療後に必要に応じてワイヤー矯正やマウスピース矯正を追加する場合もあります。床矯正で基礎を整えれば、その後の矯正治療をスムーズに進めることができるでしょう。
床矯正の装置とは
床矯正の装置は、成長期の子どものあごや歯並びを整えるために使用される矯正器具です。取り外しが可能なので、日常生活に支障をきたしにくいです。食事や歯磨きの際に取り外せるため、清潔に保つことができます。
また、成長途中のあごに適切な力を加えられるため、自然な形で歯列を改善できるのも特徴です。
ただし、床矯正の適切な効果を得るには、決められた時間装着することが必要不可欠です。装着時間が短いと、治療が長引いたり効果が出なかったりする可能性があります。定期的な調整やメンテナンスも欠かせません。
床矯正の装置は取り外しが可能ですが、1日8〜14時間ほどの装着が推奨されています。装着時間は患者さまの状態によって異なりますが、歯科医師の指示に従いましょう。
日中1〜2時間と就寝中の装着を指示されることが多いですが、装着時間が長いほど治療効果が出やすいとされています。
床矯正装置の構造
床矯正装置は、主に以下の部品から構成されています。
床
床は、プラスチックやレジンと呼ばれる樹脂素材で作られた基盤部分です。歯茎や粘膜に触れる部分で、口の中で装置を安定させる役割を果たします。
ネジ
あごの幅を広げたり歯列を調整したりする力を加えるために使用されます。定期的に調整することで、少しずつ骨や歯に力を加えていきます。
ワイヤー
歯に固定するために用いられる金属部分です。歯を軽く引っ張ることで、位置の調整を補助する働きもあります。
床矯正の装置の巻き方
床矯正装置は、ネジを調整することによって顎の骨や歯列に力を加え、少しずつ歯並びや骨の形状を整えていきます。ネジを巻く作業は、治療の効果を高めるために重要な工程です。ネジの巻き方を正しく守ることで、床矯正装置の効果を最大限に引き出せます。
以下に、床矯正装置の巻き方を解説します。
①ネジの回す方向を確認する
床矯正装置には、専用の調整用のレンチが付属しています。レンチを使ってネジを回すため、紛失しないように注意しましょう。
矯正装置には、ネジを回す方向が示されています。矢印で指示されているケースが多いので、矢印の方向に従って巻きましょう。間違った方向に回すと、装置が緩んだり治療効果が得られなくなるため注意が必要です。
②ネジを回す
調整用のレンチをネジ穴に差し込み、指示された回数だけ回します。一度に多く回さずに、1回分ずつ丁寧に調整するようにしましょう。
無理な力を入れると破損の原因になりますので、力の入れ過ぎに注意してください。
③巻いた後の確認
ネジを巻いた後は、装置を再び口に装着して、違和感や痛みがないか確認します。強い痛みがある場合は、無理せず歯科医院を受診してトラブルがないかチェックしてもらいましょう。
床矯正の装置の入れ方・外し方
床矯正装置は、正しい入れ方と出し方を覚えることで、快適に使用できるようになります。誤った方法で着脱をしていると、破損や口の中を傷付ける原因になるため注意が必要です。毎日の装着がスムーズにできるようにコツを押さえておきましょう。
床矯正装置の入れ方
床矯正装置の入れ方は、以下の通りです。
①装置の向きを確認する
装置を取り扱う前には、必ず手洗いをおこなって清潔にしましょう。床矯正装置には上下や前後の向きがありますので、正しい向きであることを確認してから装着を始めます。
②奥歯から押し込む
装置を口の中に入れたら、奥歯部分に軽く当てます。その後、両手の親指を使って均等に力を加えながら、装置全体を押し込みます。カチッと音がして、しっかりとはまったことを確認しましょう。
無理に押し込むと装置や歯茎を傷つける可能性があるため、優しく取り扱うことが大切です。
床矯正装置の出し方
床矯正装置の出し方は、以下の通りです。
①両サイドからゆっくり外す
装置を外すときは、左右どちらか一方だけを引っ張るのではなく、両側から均等に力をかけます。装置のバネ部分を親指と人差し指でつかみ、ゆっくりと持ち上げるように外しましょう。
②装置を傷つけないよう注意
バネである金属部分を乱暴に扱うと、変形や破損の原因になります。強い力を加えないよう気をつけましょう。
装置を外した後は、専用ケースに入れて保管します。直接テーブルや洗面台に置くと、紛失や破損のリスクが高まるため注意が必要です。
床矯正の装置のお手入れ方法
床矯正装置を清潔に保つことは、口の中の健康を維持するために重要です。装置の効果を最大限に引き出すためにも、清掃は必要不可欠です。
以下に、床矯正装置のお手入れ方法を解説していきます。
毎日のお手入れ方法
装置を外した後は、すぐに洗うようにしましょう。流水で軽くすすぎ、食べカスや唾液を洗い流します。やわらかい毛先の歯ブラシを使用して、装置のプラスチック部分や金属部分を丁寧に磨きます。
研磨剤が含まれた歯磨き粉は、装置に細かい傷をつける可能性があるため使用を避けましょう。装置に付着した汚れを放置すると、細菌が繁殖する原因となるため注意が必要です。
専用洗浄剤を使った定期的なケア方法
毎日の洗浄に加えて、定期的に洗浄剤を使ったケアも取り入れるとより清潔な状態を保てます。洗浄剤は、床矯正装置専用の洗浄剤を使用しましょう。ドラッグストアや歯科医院で購入できるため確認してみてください。
洗浄剤を溶かした水に装置を浸し、指定された時間だけ放置します。その後、流水でしっかりすすぎましょう。
ただし、洗浄剤を使いすぎると装置が劣化する可能性があるため、頻度は週に1~2回程度が適切です。製品によって異なるので、必ず使用方法を確認しましょう。
保管する場合
装置を使用していないときは、そのまま放置せず適切に保管することが大切です。床矯正装置は専用のケースに保管します。ケースは清潔な状態を保ち、定期的に洗浄するようにしましょう。
また、装置はプラスチック製のため、熱に弱い性質があります。車内など高温になりやすい場所や、直射日光の当たる場所での保管は避けましょう。
定期的なチェックとメンテナンス
矯正装置は、使い続けることで劣化が生じます。定期的に歯科医院で装置の状態を確認してもらうことが必要です。
破損や変形が見られた場合は、速やかに修理や交換をおこないます。
まとめ
床矯正は取り外しが可能な矯正器具で、成長期の子どもの歯並びやあごの骨の成長をサポートするために使用されます。正しい装着方法やネジの巻き方、入れ方・外し方をマスターすることで、治療効果を高めることができるでしょう。
また、日々のお手入れを怠らずに清潔に保つことも、装置の寿命を延ばし口の中の健康を守るために大切です。日常のケアをしっかりおこないながら、歯科医院で定期的にチェックをおこなってもらいましょう。
床矯正を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。