歯周病のセルフチェック項目!原因や予防法も紹介
2024年09月21日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
歯周病は、多くの人が経験する歯の病気です。歯磨きで出血したり、冷たいものがしみたり、気になる症状があると「歯周病の可能性はある?」「歯科医院を受診したほうがよい?」など、不安を抱えている方も多いでしょう。
今回は、歯周病のセルフチェック項目と、予防方法について解説します。気になる症状がある方やしばらく歯科医院を受診していない方は、ぜひ参考にしてください。
目次
歯周病とは
歯周病とは、歯垢に含まれる細菌によって歯茎が炎症を起こす病気です。腫れや出血などの症状が起こり、悪化すると歯を支える骨が溶けて歯が抜け落ちる場合もあります。歯周病の初期段階では自覚症状が少ないため、気づきにくいのも特徴です。
厚生労働省の調査によると、対象となった15歳以上の人のうち約47.9%の人が4mm以上の歯周ポケットを持っており、年齢とともに割合が増加していると報告されています。
参照元:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」
歯周病のセルフチェック項目
歯周病は早期発見・早期治療が重要です。ここでは、歯周病のセルフチェック項目について解説します。当てはまるものがあるときは歯周病の可能性があります。
- 朝起きたときに口の中がネバネバする
- 口臭が気になる・強くなったと感じる
- 歯磨きをすると出血する
- 硬いものが噛みにくい
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯茎が下がって歯が長くなったと感じる
- 歯と歯の間に隙間ができて食べ物が挟まりやすい
- 歯がグラグラする
当てはまる項目が多い場合は、歯周病の可能性があります。チェック項目に該当しない場合でも、自覚症状のないまま歯周病が進行しているケースもあります。
初期の段階で発見し、早期に治療を受けられれば進行を抑えることができるため、定期的に歯科医院で確認してもらうことが大切です。
歯周病の原因
歯周病の主な原因は以下のとおりです。
- 歯磨きが不十分
- 免疫力の低下
- 妊娠や持病
- 歯ぎしりや食いしばり
それぞれについてくわしく解説します。
歯磨きが不十分
歯周病の主な原因は、歯垢や歯石に含まれる細菌です。磨き残しによって歯垢が蓄積すると、細菌が繁殖して歯周病になるリスクが高まります。
歯垢が石灰化すると歯石になります。歯石の表面はザラザラとしており、歯周病の原因となる歯垢が付着しやすくなります。歯石は歯ブラシでは落とすことができないため、歯科医院で除去してもらう必要があります。
また、歯並びが悪いと磨き残しが起こりやすくなるため、歯周病のリスクも上がります。
免疫力の低下
免疫は、体に入ってきたウイルスや細菌から、体を守るためのシステムです。栄養不足や睡眠不足が続くと免疫力が低下し、歯周病の原因となる細菌が増殖しやすくなります。また、ストレスも免疫力が低下する原因です。
妊娠や持病
持病がある方や妊娠中の方は歯周病になるリスクが高いといわれています。妊娠中は、エストロゲンという女性ホルモンが増加し、歯周病菌を増殖させるため、歯周病になるリスクが高まるのです。また、つわりで口腔内を清潔に保ちにくいのも歯周病の要因の一つです。
妊娠中とは反対に、骨粗鬆症の人はエストロゲンが減少し、歯茎が腫れやすくなります。また、骨粗鬆症は骨密度が低下する病気です。歯を支えている歯槽骨がもろくなり、歯周病が悪化した場合に歯が抜けやすくなります。
そのほか、糖尿病の人は口の中が乾燥しやすく、細菌が繁殖しやすい状態です。細菌に対する抵抗力が下がるのも歯周病になりやすい原因といえます。
歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは直接的な歯周病の原因ではありませんが、歯周病を悪化させる原因になります。
歯ぎしりや食いしばりをすると歯に強い力が加わり、歯の根っこの部分や周りの骨に負担がかかります。歯茎が衰えたり、歯の土台となる歯槽骨が溶けたりすることにつながりかねません。
歯周病の進行とその症状
歯周病になるとどのような症状が現れるのでしょうか。ここでは、歯周病の症状について段階別に解説します。
歯肉炎
歯肉炎は、歯との境目の歯茎が丸みを帯び、赤く腫れている状態です。ブラッシングしたときに出血することもあります。歯茎が腫れて、歯茎と歯の間に2〜3mm程度の隙間ができます。
骨の破壊はまだ始まっていないため、歯科医院で歯石を除去してもらい、自宅でしっかりと歯磨きをすれば、進行を食い止められるでしょう。
軽度の歯周炎
軽度の歯周炎は、歯周病菌が歯周組織に侵入し、炎症がひどくなった状態です。歯肉は赤紫色になることが多く、ブラッシングをしたときに出血しやすくなります。この段階になると、歯を支えている歯槽骨や歯の根っこの周りを覆っている歯根膜も破壊され始めます。
歯と歯茎の隙間が大きくなるため、食べ物が詰まりやすくなるほか、歯の根元が露出して知覚過敏を起こしやすくなるでしょう。
中度の歯周炎
歯周病が中度になると、歯茎がさらに腫れ、歯茎と歯の隙間が4〜7mm程度になります。歯槽骨の破壊が進み、歯がぐらつき始めます。歯茎が退縮して歯が長く見えることもあるでしょう。ブラッシングすると、膿が出たり出血したりすることもあります。
重度の歯周炎
重度の歯周炎は、炎症がひどくなり歯槽骨が半分以上破壊された状態です。歯がグラグラになり、食べ物をしっかり噛めなくなります。歯と歯茎の境目の歯周ポケットはかなり深くなり、中に膿が溜まります。歯茎が大きく腫れて、痛みも生じやすいでしょう。
治療せずに放置すると、歯が自然に脱落する場合もあります。
歯周病の予防法
歯周病の予防法は、以下の4つです。
- 歯磨きを徹底する
- 食生活を改善する
- 禁煙する
- 歯科医院で定期検診を受ける
それぞれ詳しく解説します。
歯磨きを徹底する
歯周病を予防するためには、原因となる歯垢を除去することが大切です。正しく歯磨きを行い、歯垢のない清潔な状態にしておきましょう。
歯ブラシだけで歯と歯の間や歯と歯茎の境目に付着した汚れを落とし切るのは難しいです。デンタルフロスやタフトブラシを用いて丁寧に歯垢を取り除きましょう。
食生活を改善する
歯周病を予防するためには、食生活を改善することが大切です。具体的には、以下のポイントを心がけるとよいでしょう。
- 抗酸化作用のある野菜や果物を摂る
- 歯や骨の材料になるカルシウムやマグネシウムを摂る
- 糖分の多い飲み物やお菓子を控える
- ダラダラと間食しない
偏った食生活が続いて免疫力が下がると、口腔内の細菌が繁殖し、歯周病になるリスクが高まります。栄養バランスの取れた食事を心がけて免疫力を高めることが大切です。
また、食べ物の糖分が口の中に留まっている時間が長くなると、細菌のエサとなります。食事はダラダラと続けず、食べ終わったら歯を磨いて口腔内を清潔に保ちましょう。
禁煙する
歯周病を予防するためには禁煙することも大切です。喫煙者は、非喫煙者に比べて歯周病にかかりやすく、重症化しやすいといわれています。
たばこに含まれるニコチンによって血流が悪くなると免疫力が低下し、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。また、腫れや出血が現れにくく、気づかずに進行しているケースも多いです。健康的な歯茎を保つために、禁煙を心がけましょう。
歯科医院で定期検診を受ける
歯周病を予防するためには、自宅でしっかりと歯磨きをすることが大切ですが、ふだんの歯磨きだけですべての汚れを落とし切ることはできません。そのため、定期的に歯科医院で検診を受けることが重要なのです。
歯科医院の定期検診では、口の中の状態をチェックし、自分では取り除けない歯垢や歯石を除去してもらえます。自覚症状のない歯周病や虫歯を発見できれば、重症化する前に治療を受けられるでしょう。
症状がある場合は早めに歯科医院を受診して、これ以上進行しないようにすることが大切です。
まとめ
歯周病とは、口の中の細菌が繁殖して歯茎が炎症を起こす病気です。初期の段階では痛みなどの症状が現れにくいため、定期的に自宅でセルフチェックをして当てはまるものがないか確認するとよいでしょう。
気になる症状があるときは、早めに歯科医院を受診して、必要な治療を受けましょう。
歯周病にお悩みの方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。