床矯正で後悔しないために!適切な装着時間と注意点を知ろう
2024年09月14日(土)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
「床矯正を検討しているけれど、後悔した人が多いみたいで心配」「床矯正ではどのような失敗があるのだろう」といったお悩みはありませんか。床矯正は子供の歯並びを整えるのに効果的な治療です。
しかし「やらなきゃよかった」「失敗した」と後悔の声があるのも事実です。
そこで本記事では、床矯正の仕組みや失敗例、床矯正をするときの注意点などについて解説します。床矯正を検討しているけれど、後悔するのが怖いとお悩みの保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
床矯正の仕組み
床矯正は、成長途中にある子供の歯並びを整える歯科矯正治療の一種です。取り外し可能な矯正装置を装着して、歯の成長を促進・コントロールし、歯列を拡大しながら歯並びを整えます。
床矯正でおおまかに歯並びを整え、永久歯が生えそろったら改めて矯正治療を行なって細かな歯並びを調整するケースが多いです。そのため、床矯正が終わったら追加で矯正治療を行う前提で治療を始めるのが良いでしょう。
「床矯正をしてもまた追加で矯正しなければならないのであれば意味がないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、成長に合わせて早い段階から矯正をしておくことで、永久歯が生えそろってから矯正するときに抜歯を回避できる可能性が高くなるのです。
床矯正では、上顎や下顎に矯正装置をつけ、ネジを調整して歯槽骨に力を加えます。床矯正の装置はプラスチック(レジン)でできた床部分と、歯に引っかける金属部分でできており、入れ歯のように自由に取り外し可能です。
床矯正で後悔・失敗してしまう例
ここからは、床矯正で起こり得る失敗例をご紹介します。子供の床矯正で「失敗した」「やらなきゃよかった」という結果になるのは、以下のようなケースです。
床矯正を始めるタイミングが適切でなかった
床矯正を始めるタイミングが適切でなかったことが原因で、矯正効果を十分に得られなかったという失敗例があります。
床矯正を成功させるためには、治療を開始するタイミングが非常に重要です。子供の顎の発達や歯並びの状態に合わせて治療する必要があり、床矯正の場合は成長のピーク時に治療を開始するのがよいとされています。
子供の発達状況をしっかり見極めて治療計画を立てられる歯科医師のもとで治療を受けましょう。
歯科医師との相性が悪かった
歯科医師との相性が悪かったことが原因で失敗につながる場合もあります。なぜなら、歯科医師と密なコミュニケーションが取れなければ満足のいく治療を受けられないからです。
相性が良くて信頼できる歯科医師であれば、小さな不安も共有できて、安心して子供を任せられるでしょう。
治療に対するモチベーションが続かなかった
床矯正の治療には数年単位の長い期間がかかります。そのため、治療へのモチベーションを保てず、うまくいかなかったという失敗例があります。
床矯正をしている数年間は矯正装置をつけなければいけなかったり、経過観察のために通院しなければならなかったりします。長い期間治療をしていると、たまに矯正装置の管理や通院が面倒だと感じることもあるかもしれません。
経済的な負担が大きかった
思ったよりも経済的な負担が大きくなり、治療を中断せざるを得ない状態になる方もいらっしゃるようです。必ずしもはじめに計画した通りに治療が進むとは限りません。歯が予想外の動きをしたり、途中で虫歯になったりすると、追加で治療が必要になる場合もあります。
余裕を持って予算を立てると良いでしょう。
抜歯が必要になった
将来的に抜歯をしないで矯正できると思って床矯正をしたのに、結局は抜歯が必要になって後悔したという例もあります。あくまで抜歯を伴う矯正を予防できるのであって、必ずしも抜歯を避けられるわけではありません。
床矯正をしても抜歯が必要になる可能性があることを理解して治療を始めましょう。
子供がかわいそうになった
保護者の方のなかには、矯正治療で子供に大変な思いをさせるのが可哀想になって後悔したという方もいらっしゃいます。毎日長時間矯正装置をつけなければならない、お友達と遊びたくても通院しなければいけないなど子供への負担が気になるようです。
お子様が理解できる言葉でわかりやすく治療の説明をして、不安を軽減させてあげられるといいかもしれません。
床矯正の適切な装着時間
床矯正の装置は1日12〜14時間装着する必要があり、治療期間は1〜2年前後です。装着時間が長いほど矯正効果が得られます。歯並びや噛み合わせ、歯の動き具合、顎の状態などによって治療期間は変わるため、数ヶ月で終わる場合もあれば3年以上かかる場合もあります。
床矯正をするときの注意点
床矯正をするときの主な注意点は、以下のとおりです。
抜歯が必要になるケースもある
抜歯をしなくて済むように床矯正で治療をしたのに、永久歯が生えそろってから矯正をするときに抜歯が必要になる場合があります。成長過程で顔まわりの骨格が変化し、歯並びに影響を与える可能性があるためです。
あくまで抜歯をしない確率を高められる治療だと理解しておきましょう。
治療期間が予定より長引く可能性がある
予定よりも治療期間が長引く可能性もあります。床矯正での治療中に虫歯になった、歯が予想外の動きをした、矯正装置の装着時間を守れなかった、などのトラブルがあるとスムーズに治療を進められません。
歯科医師からの指示を守り、毎日歯磨きを丁寧に行なって口腔内を清潔に保つことができれば、スムーズに治療を進められるでしょう。
治療効果が十分に得られない可能性がある
床矯正を開始したのに思ったより歯並びが整わないと感じることもあるかもしれません。原因としては、矯正装置の装着時間が守れていないことが挙げられます。
矯正装置の付け心地が悪くて外してしまうお子様がいるかもしれませんが、それでは治療が進みません。床矯正の装置を1日12〜14時間装着できるように、保護者の方が声かけなどをしてあげましょう。
床矯正のメリット
床矯正の大きなメリットは、以下のとおりです。
抜歯せずに矯正できる場合がある
床矯正で治療をすることで、将来的に抜歯をせず永久歯を矯正できる確率が高まります。早い段階から永久歯が生えるのを見越して歯並びを調整できるからです。
とはいえ、お子様の顎や歯並びの状態によっては抜歯が必要になる場合もあります。必ずしも抜歯せずに矯正ができるわけではない点は理解しておきましょう。
矯正装置を自分で外せる
固定式の矯正装置の場合、食事や歯磨きがしにくいです。そのため、矯正中に虫歯になるリスクも高くなります。
一方で床矯正の装置は、自分で取り外しができます。食事中に装置を取り外せるため、食べかすが挟まることがありません。また、ふだんどおりに歯磨きが行えるため、虫歯になるリスクも軽減できるでしょう。
痛みが少ない
床矯正の装置は柔らかい素材で作られているため、つけていても痛くなりにくいです。例えば、ワイヤー矯正で使用するブラケットやワイヤーが口の中の粘膜に当たると傷ができて痛みが生じることがあります。痛みがあると治療に対するモチベーションを保ちにくくなるでしょう。
一方で、床矯正なら装置を装着していても不快感が少ないため続けやすいです。また、歯列を少しずつ広げていくため、痛みを感じにくいといわれています。
床矯正と他の小児矯正との違い
床矯正と他の小児矯正とでは、何が違うのでしょうか。小児矯正で使用される矯正装置は、大きく以下の3つに分類されます。
- 可撤式装置:取り外しできる装置
- 固定式装置:取り外しできない装置
- 顎外固定装置:口の中以外に固定する装置
床矯正は口の中に装着する取り外し可能な矯正装置なので、可撤式装置に当てはまります。床矯正の装置は他の装置と比べて目立ちにくく、付け心地も悪くありません。取り外しができるため、食事や歯磨きの際に邪魔にならず便利でしょう。
不快感が少なく見た目に影響を与えないのが床矯正の装置です。
床矯正は大人でもできるって本当?
結論からお伝えすると、床矯正は大人でもできる場合があります。基本的には子供を対象にした治療ですが、顎の骨格や歯並びの状態によっては効果が期待できる場合があるからです。
とはいえ、成長を終えている大人の歯列を広げるには限界があります。そのため、他の矯正を併用するケースも多いです。大人の床矯正が気になる方は、歯科医院で相談してみてください。
まとめ
本記事では、床矯正の仕組みや後悔した例、注意点などについて解説しました。
床矯正をして「失敗した」「やめておけばよかった」と感じる方がいるのも事実ですが、床矯正の治療自体は決して悪いものではありません。床矯正に関する正しい知識を身につけ、納得したうえで治療に臨むことが重要です。
小児矯正を検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、小児歯科を中心に成人の一般歯科や矯正治療なども行っています。診療案内はこちら、ご予約も受け付けております。