指しゃぶりが歯並びに与える影響とは?指しゃぶりの原因とやめさせ方
2023年09月04日(月)
こんにちは。東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」です。
乳児や幼児によくある指しゃぶりは、指を吸うことによって口腔内の圧力が高くなるため、さまざまな影響が起こります。上顎の前歯が飛び出る出っ歯や、上顎の歯列が狭くなる歯列狭窄、上下の前歯が噛み合わない開咬など、歯並びに起きる影響はさまざまです。
また、指しゃぶりが長く続くと、歯並びなどの外見に影響が出ます。また指しゃぶりは、こどもの精神面を反映している場合もあり、さまざまな面から癖の原因のアプローチをする必要があるでしょう。
今回は、指しゃぶりが歯並びにどのような影響を及ぼすのか、なぜ指しゃぶりをしてしまうのか、そして、やめさせるにはどうしたらいいかについて解説します。
目次
指しゃぶりが歯並びに与える影響
指しゃぶりは、乳児の発達においてよく見られる特徴ではありますが、長く続けば歯並びに影響し、さまざまな症状が出ることがあります。
指しゃぶりによる指を咥えて吸う力は、口腔内に強い影響をもたらします。指しゃぶりをするごとに、徐々に上顎の歯列が前に押し出されていき、上下の歯並びのバランスが崩れたり歯列が狭くなったりするなど、歯並びに起こる影響はさまざまです。
指しゃぶりによって上顎の前歯に強い圧力がかかった結果、出っ歯になりやすくなるといわれています。出っ歯になると、噛み合わせが悪いだけでなく、外見のコンプレックスになりやすいでしょう。上下の前歯が噛み合わない開咬という症状にもなりやすくなります。
指しゃぶりによる歯の噛み合わせの悪化で、出っ歯などの症状だけでなく、ほかにもさまざまな問題が起こりうるでしょう。前歯で食べ物が噛みづらくなる、唇が閉じにくくなり口呼吸になる、滑舌が悪くなりはっきり発音できないなど、生活をするうえで支障が出てきます。
指しゃぶりが歯並びに与える影響は非常に大きいため、口腔内のバランスを崩してしまわないように癖を改善していく必要があります。
指しゃぶりの原因
出っ歯や口呼吸など、さまざまな支障につながりかねない指しゃぶりの原因には、どのようなものがあるのでしょうか。いくつか解説します。
乳幼児期からの癖
小さい頃は、手に取ったおもちゃなどを何でも口にすることがあります。指しゃぶりもその一環で、成長面では必要な発達といえるでしょう。
しかし、徐々にやめるはずの指しゃぶりが、癖としていつまでも残ってしまうことがあります。このような指しゃぶりは、無意識にしていることが多いため、わかりやすく指しゃぶりを指摘してあげることで、指しゃぶりを自覚できるこどももいるでしょう。
精神的な不安や寂しさ
指しゃぶりは、ただの癖でなく、日常における精神的な不安や寂しさから起こることもあります。たとえば、今まで両親に甘えていたけれど弟や妹ができたときなど、精神的に不安や寂しさを感じ、赤ちゃん返りをしてしまうことがあります。
こどもながらに安心感を得るべく、指しゃぶりをする場合もあるでしょう。このような場合は、たくさんスキンシップを取り、こどもを安心させてあげることが大切です。
ストレスの蓄積
こどもは、ストレスの蓄積から指しゃぶりをしてしまうこともあります。自分を取り巻く環境が変わったときや思うように遊べないときなど、こどもの中で不満や鬱憤が溜まってしまうことがあると指しゃぶりをしてしまうことがあります。このような場合は、心の中のモヤモヤを発散させてあげる機会を作ることが大切です。
こどもと向き合う時間を作ることや思いっきり体を動かして遊ぶことで、定期的にストレスを発散させてあげましょう。
こどもの指しゃぶりはやめさせるべき?
指しゃぶりは、3歳頃までなら問題ありませんが、4歳以降は指を吸う力も強くなります。そのため、歯並びに影響が出てしまう場合があることから、なるべく指しゃぶりをやめさせるほうがよいでしょう。
こどもが3歳になったあたりから、徐々に指しゃぶりをやめられるようにサポートしていく必要があります。こどもは成長していくにつれ、生活環境にも影響されやすくなります。自分を取り巻く環境で徐々に指しゃぶりをする子が少なくなるため、こどもによっては自然にやらなくなることもあるでしょう。
また、こどもは成長に伴い、より多くのことに興味や関心を持ち始めます。日常において、おもちゃで遊ぶ時間や体をたくさん動かす遊びなどを取り入れることにより、指しゃぶりから意識をそらしてあげることも効果的です。
こどもの指しゃぶりをやめさせる方法
こどもの指しゃぶりをやめさせるためには、こどもの意識が指しゃぶりに行かないようにすることが大切です。そのためには、以下の方法が効果的です。
こどもと遊ぶ時間を作る
ふだん、こどもにテレビを見せるのもいいですが、なるべくこどもと遊ぶことで、こどもの意識を指しゃぶり以外に向けられます。指先を使った室内での遊びもいいですが、外で元気に走り回るような体を使った遊びも効果的です。
一緒に遊ぶことで、こどもも「たくさん遊べた」ことによる満足感や疲労感で、指しゃぶりの回数の減少が見込めるでしょう。
指を使った遊びをする
ブロックや積み木、パズルなどの指先を使ったおもちゃも効果的です。これらは、集中して取り組みやすいため、指しゃぶりを忘れて没頭できるでしょう。
また、指先を使用するため、指をしゃぶる暇がありません。こどもは成長していくにつれ、遊びに集中できるようになってくるため、年齢に応じて、指先をたくさん使う遊びに積極的に向かわせるのもいいでしょう。
こどもとスキンシップを多めにとる
指しゃぶりは、不安を和らげ安心感を得る効果もあります。もし、こどもの指しゃぶりが頻繁に見られる場合は、寂しさや不安な気持ちがあるのかもしれません。その際は、いつもよりもこどもを抱きしめてあげたり手をつないだりするなど、なるべくスキンシップを取ってあげましょう。
パパやママと触れ合うことで、こどもの不安な気持ちも和らぎ、指しゃぶりをしなくても済むようになるかもしれません。
叱らず優しく言い聞かせる
どんなに注意をしても、こどもの指しゃぶりが止まらないこともあるでしょう。そんなときはどうしても叱ってしまいがちです。
しかし、叱ることで、さらにこどもの指しゃぶりが止まらなくなってしまうことがあります。このような場合は、叱りたい気持ちを抑え、なるべく優しく言い聞かせることが大切です。スキンシップも交えながら、こどもとのコミュニケーションの中で指しゃぶりとうまく向き合っていく必要があるといえるでしょう。
まとめ
指しゃぶりは、こどもの成長過程で必要な行動ではあるものの、3歳を過ぎた頃には卒業すべき行動であるといわれています。
指しゃぶりが口腔内に及ぼす影響は大きく、歯列狭窄や歯並びの悪化、出っ歯など、外見のコンプレックスにつながる恐れがあります。そのため、こどもによっては指しゃぶりの癖をやめさせる必要が出てくるでしょう。
指しゃぶりの原因は、こどもの精神面からきていることがあり、ただの癖ではないこともあります。その場合は、こどもが抱える不安やストレスを軽減し、安心感を与え、たくさん遊んであげましょう。
ただ指しゃぶりをやめるように言うだけでなく、こどもとの時間をしっかり作って向き合っていくことが解決につながることもあります。こどもの指しゃぶりに悩んだら、原因を多方面から見て、アプローチをかけることが大切です。
指しゃぶりをやめさせることを検討されている方は、東京都八王子市にある歯医者「相沢歯科」にお気軽にご相談ください。